昔ながらの市場が、どんどんなくなっている中国

中国西南部の端っこの雲南省でも首都の北京でも、市場、それも昔ながらの市場をぶらぶらしてみたい。中国西南部に位置する雲南省の小さな町なら、昔ながらの市場は、きっと路上市場です。北京のような大都市なら昔ながらの市場と言っても、屋内で扱っている項目でコーナーが分かれているところです。どんな市場であっても市場巡りは、旅行者には新鮮で楽しい。地元の人が日々利用している市場は、立派な観光名所の一つです。私が北京に留学していた2006年頃、地下鉄崇文門駅前にある「崇文門菜市場」がお気に入りでしたが、今は、もう残っていません。中国の市場は、大都会であれ、地方都市であれ、再開発によってどんどん消えていっています。

野菜、肉なんでも売っていた崇文門菜市場。粉ものの屋台もあり、通っていましたが、2010年頃、なくなりました 野菜、肉なんでも売っていた崇文門菜市場。粉ものの屋台もあり、通っていましたが、2010年頃、なくなりました

北京の意外な場所に残っていた路上市場

それでも北京のど真ん中、故宮に近い南鑼鼓巷の外れに、奇跡的に路上市場が残っています。南鑼鼓巷は、伝統家屋の四合院が並んでいる「胡同(フートン)」です。「胡同」とは路地のこと。南鑼鼓巷は今や中国全土から観光客が訪れる人気観光地ですが、2008年の北京五輪前は、欧米人留学生が開いた、おしゃれなバーやカフェがポツンポツンとあるような胡同でした。五輪をきっかけに注目され、異常なほど観光客が増えたところです。そんな南鑼鼓巷に近い、方磚胡同に路上市場があります。小さな市場なので、何か足りないものがあった時に、買い足す程度の役割しか果たしてないんじゃないかと思っていました。それが毎日、けっこうにぎわっています。

南鑼鼓巷のはずれにある小さな路上市場。近所に住むお年寄りにとっては、なくてはならない場所 南鑼鼓巷のはずれにある小さな路上市場。近所に住むお年寄りにとっては、なくてはならない場所

成都中心部に今も残っている懐かしの路上市場

内陸部の都市でも昔ながらの市場は再開発で無くなり、ショッピングモールの中にあるスーパーに変わっていきました。ところが最近、西南部の四川省の省都、成都にはそれが意外と残っていることに気づきました。中心部の一環路北四段に近い、成都北門バスターミナルの北側や地下鉄3号線「前峰」駅の南側には、まだ、昔懐かしの市場があるのです。古いアパートとアパートの間の通りが市場になっています。所狭しと野菜、果物、肉、豆腐などの屋台が並び、80〜90年代の中国を彷彿とさせます。すぐ近所に「家楽福(カルフール)」のような大型スーパーがあるのに、市場は朝夕はスリに注意しなくちゃいけないほどのお客でにぎわっています。

成都の北門バスターミナルの北側にある菜市場。昔ながらの市場は、スリが多いことでも有名 成都の北門バスターミナルの北側にある菜市場。昔ながらの市場は、スリが多いことでも有名

旅行者が、ごく普通の市場を見つける方法

そうした市場ですが、特徴がある有名な市場でないと、現地で売られている地図や日本のガイドブックには載っていないことがほとんどです。「花鳥市場」と呼ばれる、植木、小鳥、金魚の専門市場などは、比較的ガイドブックに載っていることがあります。しかし主に野菜や肉を扱う、ごく普通の市場は、地元の人に教えてもらうしかないです。ゲストハウスやユースホステルに泊まっているなら、フロントに「近所に『菜市場(ツァイシーチャン)』はありますか?」と聞いてみるのが一番! 「マーケット」という単語を使うと、スーパーを教えてくれる時があるので、昔ながらの市場を連想する「菜市場」を使うほうがオススメ。とにかく少しでも残っている今のうちに、菜市場を見ておきたいですよね!

菜市場では、1年を通して肉は屋外で売っている。中国では、肉は薄切りでは売っておらず、塊で買うもの 菜市場では、1年を通して肉は屋外で売っている。中国では、肉は薄切りでは売っておらず、塊で買うもの