北京在住者なら知っている「朝内81号」とは?

「朝内81号」と言う番地を聞けば、北京に住んでいる人なら「ああ、あそこね」と言う人が少なくありません。朝内81号と言えば、北京では有名な「凶宅」です。「鬼宅」と言う人もいます。「凶宅」は、殺人や自殺があった家、もしくは幽霊屋敷と言う意味です。「鬼宅」は幽霊屋敷です。地下鉄1号線の朝陽門駅に近い朝陽門内大街81号は、略して朝内81号と呼ばれ、今、北京では、ちょっとした話題になっています。中国のニュースサイト「今日頭条(今日のトップニュース)」の2017年11月21日の記事によると、今、北京では朝内81号の年間家賃が8か月で150万元(約2550万円)も下がったそうなのです。

朝内81号の洋館。地下鉄2号線、朝陽門駅のD出口を西に徒歩約10分 朝内81号の洋館。地下鉄2号線、朝陽門駅のD出口を西に徒歩約10分

あの朝内81号の大改修工事が終了!

私が初めて朝内81号の建物を見に行ったのは、友人と近くのレストランで晩ごはんを食べた後です。誰もいないのに、かつて住んでいたドイツ人神父が夜中に歩きまわる音がするという噂話を聞いていたせいか、夜に見ると、灯かりもない古びた洋館は、禍々しい雰囲気でした。朝内81号の建物は、左右に別棟がある3階建ての洋館です。別棟にはそれぞれ地下室があり、総面積は2925平方メートル。2016年のはじめに長年、荒れるにまかせていた洋館の改修工事が決まり、年内に工事が終了しました。2017年3月に年間1000万元(約1憶7000万円)で借り主募集の広告が出たのです。

朝内81号の年間家賃の850万元(約1憶4450万円)を1平米あたりの賃貸料に直すと、付近のオフィスビルの賃貸料と変わらない 朝内81号の年間家賃の850万元(約1憶4450万円)を1平米あたりの賃貸料に直すと、付近のオフィスビルの賃貸料と変わらない

建設後現在までの朝内81号の所有者の移り変わり

その後、8か月が過ぎ、11月になっても借り主が決まらず、家賃が850万元に下がっているのです。朝内81号の所有権は、現在、北京市カトリック愛国会が持っています。建物の歴史や住人は、サイトによって書かれている内容は異なりますが、今日頭条によると、建設が始まったのは、1921年のはじめ。フランス籍のカトリック教徒、朱徳蓉(シャルロット?)とその夫が住んでいたようです。新中国成立後は、煤鑛総局文工団が東楼の16部屋を借りていました。会社の合併により中国煤鑛文工団ができると、その職員住宅になったようです。所有権が北京市カトリック愛国会に移ったのは、1994年です。

現在も借りてが見つからない理由とは?

朝内81号の洋館は、荒れるにまかせていましたが、時々、ドラマや映画の撮影に使われるようになっていました。2005年頃から若者が肝試しに訪れるようになり、幽霊屋敷伝説が生まれたようです。2014年7月には「朝内81号」と言う映画が公開され、3週間で4億元(約68憶円)を売り上げました。この映画は、今も国産ホラー映画の観客数の記録を持っています。2017年の大改修後、年間1000万元で貸し出すとの広告を出すと、ホテルとして使いたいという人が次々と現れたようです。ただ、北京市の保護建築の認定を受けているので、ホテルとしては使用できません。それで今に至り、家賃が下がっているそうです。大改修を終えたばかりで、今は綺麗になりすぎている可能性は大ですが、北京旅行の際、時間があるなら、朝内81号を覗いてみませんか?