北京で一番にぎやかな美食街かもしれない「鬼街」

赤い提灯がこれでもかと灯った通りに来ると、「北京に来た!」と言う実感がわいてきます。ここは、北京で一番にぎやかな美食街と言ってもいい「鬼街(グイジエ)」です。赤いちょうちんと巨大電工看板のインパクトがすごい! このパワフルさに吸い寄せられるようにお客が集まっています。午後6時すぎになると、人気店の前では順番が呼ばれるのを待っている大勢のお客が見られます。こんなお店が東西に走る大通りに何軒もある鬼街は、とにかくギラギラした熱気でいっぱいの通りです。

こんな迫力あるレストランが、道路の両側にずらっと並んでいる こんな迫力あるレストランが、道路の両側にずらっと並んでいる

いくつも名前を持っている「鬼街」

鬼街があるのは、北京の故宮博物院の西北の方角にある東直門内大街です。地下鉄5号線の「北新橋」駅で降りれば、目の前が鬼街です。通りの名前は、東直門内大街なのですが、鬼街と呼ばれています。赤いちょうちんとネオンで真っ赤に見える通りを歩いていると、「グイ(草かんむりの下に、良、その下に皿)街」の巨大看板も見えます。これも通りの名前です。中国では「鬼」と言うと、幽霊をさします。いくつか説はありますが、東直門内大街は、夜になると大勢のお客が集まってくるので、鬼街と呼ばれているそうですが、鬼街では縁起が良くない。それで同じ発音で、食器をさすグイの漢字をあてたと言われています。

看板の店名の部分に食器をさす「グイ街」の文字が見える 看板の店名の部分に食器をさす「グイ街」の文字が見える

80年代に始まった鬼街の歴史

この鬼街ですが、意外と歴史は浅く、80年代の改革開放の時代に生まれました。当時は、まだまだ社会主義色が濃厚で、食事と言えば、国営企業の食堂で食べるものでした。個人の食堂などなかった時代に将来、ここが大商業地になることを見越した人物が、個人経営の食堂を開きました。しかも24時間営業! ものめずらしさから次第に評判を呼び、いくつもの24時間営業の食堂がオープンし、夜市のようになっていったのが鬼街の始まりです。私は何回も夜に鬼街を通っていますが、ここで晩ごはんを食べたのは、実は、たったの1回。しかも北京料理とは関係ない火鍋でした。

流行にあわせて変わる鬼街のレストラン

鬼街は、2018年現在は、「麻辣小龍蝦」と呼ばれるザリガニ料理が流行っています。私が行った頃は、150軒以上あると言われるレストランは、火鍋屋さんが中心でした。今はほとんどが辛いザリガニ料理を出すレストランにかわっています。ザリガニ料理って、晩ご飯というよりお酒のつまみに近い感じ。だから鬼街は、ごはんを食べた後に飲みに行く人も多いところです。流行にあわせて、レストランがガラッと入れ替わるので、「本当に美味しいものは、鬼街にはない」と言う人もいます。でも、あのギラギラした鬼街の雰囲気は、他では見られません。北京の夜は鬼街に行ってみませんか! 中国らしい赤くてパワフルな雰囲気にのまれてみませんか!