北京の人気ツアー「胡同」観光とは?

三輪車に乗って、「胡同(フートン)」と呼ばれる路地を観光するのは、北京のおすすめツアーのひとつ。日本人にはなかなかハードルが高いのですが、最近はシェアサイクルを借りて、胡同をまわるのも流行っています。もちろん歩いて回ってもオッケー。「四合院(スーフーユェン)」と呼ばれる伝統家屋が残っている胡同は、まさに北京の下町。庶民の暮らしがダイレクトに感じられるところがおもしろい。四合院とは、庭を中心に東西南北を部屋(棟)に囲まれた建築様式です。四合院の家を見ていると、門の種類の多さに気がつきます。特に北京中心部の后海や南鑼鼓巷に近い胡同は、清朝の皇族や官僚が多く住んでいたところです。様々な門を見ていると、かつてどんな身分の人が住んでいたか、気になります。

金中(大)門。光亮(大)門と比べると、外に向かって八の字型に開いていないのが特徴 金中(大)門。光亮(大)門と比べると、外に向かって八の字型に開いていないのが特徴

親王府と庶民的な四合院、おもしろいのはどちら?

間口が3〜5間あり、瑠璃瓦の屋根、門の両脇に立派な獅子の石像が置かれているのは、親王府と呼ばれる皇族の家です。門が閉ざされた未開放も多く、全く中が見えないため、正直言って、おもしろくないです。個人の家なので中には入れませんが、やはり門からちらっと中が見える家はおもしろい。入り口の壁に並んだ電気メーターは、現在は、多くの住人が住んでいる証拠。かつての豪邸も細かく分割され、そのひとつひとつが独立し、住人がいます。門の横に自転車や三輪車が停まっていたり、四合院の中心となる庭には物置小屋がこれでもかと並んでいます。内部はどんなに変わっても、門の外観は、かつてのまま。門からは、かつての住人の身分が見えてきます。

如意門。門扉の上にういた門簪が二つ 如意門。門扉の上にういた門簪が二つ

広亮門と金柱門の違い

「広亮(大)門」と呼ばれるのは、朱塗りの門が外壁から大きく奥まった所に取り付けられているタイプ。奥まっている部分には、片側につき2名ほどの門番が立つことができるスペースがあります。門の両脇の壁は彫刻がほどこされているところが多く、皇族の家には及ばないもののかなり豪華。清朝の高級官僚など、地位の高い人の家だった可能性が強いです。「金柱(大)門」も広亮門と同じように門が外壁より奥まったところにありますが、その部分の長さは、広亮門の半分ぐらい。金柱門は、広亮門ほど豪華な感じはありません。金柱門は、高級官僚と言うより普通の官僚の家と言えます。

広亮(大)門。(写真の右が切れているが)外観が「八」の字に開いているのも特徴のひとつ 広亮(大)門。(写真の右が切れているが)外観が「八」の字に開いているのも特徴のひとつ

蛮子門と如意門の違いとは?

金柱門より庶民的なのは「蛮子門」です。外壁に門柱をとりつけ、門柱の上に屋根が取り付けられています。門には門番が立つスペースはなく、蛮子門は、単なるお金持ちの家と言われています。蛮子門よりさらに庶民的なのが「如意門」です。門柱がなく、外壁に門が取り付けられており、その上に屋根をのっけた感じ。また、門の上には、「門簪」と呼ばれる飾りがあります。如意門には、「如」と「意」と書かれた二つの門簪がついた家が多く見られます。見るからに庶民的な如意門は、やはり庶民の家でした。門は、家の顔。身分を重要とした封建時代においては、門を見れば一目瞭然だったことがよくわかります。門の種類が分かれば、胡同巡りがもっと楽しくなりますよ!

蛮子門は如意門に似ているが、門扉の上についた門簪が4つ 蛮子門は如意門に似ているが、門扉の上についた門簪が4つ