ものすごくおしゃれなシャンデリアに出会える意外な場所

人魚が持ちてを支えた装飾がとっても素敵! こんなところでアールヌーボー調の凝ったデザインのシャンデリアに出会うなんて! ここは中国の東北部、日本の傀儡国家の満州国があった長春です。満州国時代は、新京と呼ばれ、満州国の首都でした。この素敵なシャンデリアがあるのは、その満州国の皇帝となった溥儀が新宮殿が完成するまで、執務をとった宮廷府だったところです。中国では「偽満州国博物院」と呼ばれています。戦中の堅苦しいイメージがある場所なのに、中にあるのはやわらかい雰囲気のシャンデリアばかり。しかも、ひとつひとつがものすごくおしゃれなんですよ!

電灯の柄の部分にご注目! 人魚が持っています!  電灯の柄の部分にご注目! 人魚が持っています! 

戦中戦後の激動の日本を感じられる場所

偽満州国博物院は、満州国の夢の跡であり、映画「ラストエンペラー」のロケ地です。戦前戦中の日本が抱いた壮大な野望の痕跡を見に来たはずですが、私はシャンデリアの写真ばかりをバシバシと撮っています。その偽満州国博物院の中は皇帝や皇后、后たちが生活をした緝熙楼、公式行事が行われた勤民楼、緝熙楼の東側に建つ同徳殿などの建て物に分かれています。宮殿と言うにはこじんまりしすぎていますが、一部屋ずつ見て行くと、かなりの数があります。皇帝の溥儀の散髪室や浴室なども含め、公的な空間と私的な空間の両方を見学できます。

偽満州国博物院のシャンデリアに思わずうっとり!

公的な空間も私的な空間のどちらにも草花のモチーフをふんだんに使ったシャンデリアが使われています。また、壁にかけられた電灯も花や葉のモチーフになっており、やさしい雰囲気です。偽満州国博物院では、部屋ごとに異なるデザインのシャンデリアが見られます。ほとんどが植物の装飾がついたアールヌーボー調ですが、わずかに機能的なデザインのアールデコ調のものも混じっています。あまりにも種類が豊富なので、悪く言えば統一性にかけますが、良く言えばバラエティに富んでいます。中でも同徳殿は日本人の設計によるものと言われていますが、シャンデリアも自分の好みで選んだのではないか?と思ってしまうほどです。

素敵なシャンデリアは、本物?

偽満州国博物院の各部屋を担当している女性職員に「あのシャンデリアは、ほんものですか?」と尋ねてみました。「全部復元です。でも、綺麗でしょう。ここで働いている私たちもみんな気にいっているんですよ」。こんな風に言われると、日本人としては、うれしいような誇らしいようないい気分です。激動の昭和の歴史を見るつもりで偽満州国博物院にやって来ましたが、ここは素敵なシャンデリア博物館のようなところでした。偽満州国博物院は、昭和の歴史に興味がある人はもちろん、電灯のデザインや装飾に興味がある人も楽しめますよ!