北京に近すぎるから、マイナーな河北省の世界遺産

北京に近いって、観光地として得しているのか、損しているのかわかりません。中国の世界遺産は、北京の万里の長城、チベットのポタラ宮殿、西安の秦始皇帝陵などなど。その中でも河北省承徳の避暑山荘と外八廟は相当、知られていないほうでしょう。北京から近くて、行きやすいけれど、日帰りにすると、かなりきついので、行かない。北京にも世界遺産がいくつもあるのだから、そっちをマイペースで見たほうが移動に疲れないというのが、承徳がいつまでもマイナーな理由じゃないでしょうか。

中国の世界遺産(7)ミニポタラ宮殿が見られる町、承徳 中国の世界遺産(7)ミニポタラ宮殿が見られる町、承徳

清朝の皇帝が1年の3分の1以上を過ごした場所

承徳は河北省の北東部、北京の北東約230キロのところにあります。山に囲まれた涼しいところなので、清朝の歴代皇帝の避暑地になりました。皇帝は毎年5〜9月までは、承徳で政務をとり、巻狩りなどをして過ごしました。清朝の皇帝は1年のうち3分の1以上を承徳に滞在していたのです。夏の間、宮廷が承徳に移って来るようなものです。それなら、北京ほどではなくとも、承徳はそこそこ大きな町だと思いませんか? 意外なことに承徳って不思議なほどコンパクトな町です。皇帝の「避暑山荘」が宏大すぎて、避暑山荘そのものが承徳と言ってもいいほどです。

歴代皇帝の山荘より日本人が見たいところとは?

承徳の町を南北に流れる武烈河のすぐ西側に、避暑山荘があります。広さは564万平方メートル。中は皇帝が過ごした「避暑区」と、皇帝が大好きだった江南地方をまねして舟遊びを楽しんだ「江南区」、モンゴルの草原をまねした「平原区」、自然の山をいかした「山景区」に分かれています。清朝の皇帝の豪奢な生活を垣間見れる場所です。承徳の見どころはこの避暑山荘ですが、日本人が一番、見たいのは「ミニポタラ宮殿」です。清朝はチベット仏教を厚く奉じていました。チベットや新疆にあるチベット仏教の有名寺院のミニチュアを、避暑山荘の北側に建設したのです。

河北省なのにチベットに行ったみたい!

ミニポタラ宮殿を含む12の僧院群が、「外八廟」です。ミニポタラ宮殿の正式な名前は「普陀宗乗之廟」です。小さな窓が並ぶ白い角ばった白宮の上部に、煉瓦色の紅宮が鎮座している姿は、ラサのポタラ宮殿そのもの! ミニとはいえないほど、壮大です。豊かな緑の丘の上にたつミニポタラ宮殿を見ていると、ここが河北省だということを忘れてしまいます。また、ミニポタラ宮殿の東側の「沙弥福寿之廟」は、チベット自治区のシガチェにあるタシルンポ寺のミニチュアだと言われています。北京からバスで約4時間半の承徳で、チベット文化に触れてみませんか! 避暑地だけに、冬は相当寒いので、ここはやはり夏に行ってみましょう!