「中国十大名所旧跡」とは?

2018年2月、中国のニュースサイト「今日頭条」を見ていると、「教えて! 中国十大名所旧跡って、どこ?」と言う質問が出てきました。広大な国土と悠久の歴史がある国なので、国中どこに行っても名所旧跡だらけ。その中から最も歴史的価値があるところを10か所選ぶとなると、相当難しいです。北京の万里長城と故宮博物館は入っているはず。中国の古都、陝西省の兵馬俑博物館も文句なし。その他となると、やはり世界遺産クラス? 河南省洛陽の龍門石窟や山西省大同の雲崗石窟、甘粛省敦煌の莫高窟あたり?

いくつかある長城の中でも最も美しいと言われる金山嶺長城 いくつかある長城の中でも最も美しいと言われる金山嶺長城

「中国旅游報」が選ぶ「中国十大名勝古跡」とは?

52か所もある世界遺産から「たった10か所ですか?」と言いたくなります。選ばれる基準って、何なんでしょう? とりあえず中国の検索サイト「百度」で「中国十大名勝古跡」調べてみました。その10か所とは、万里長城、桂林山水、北京故宮、杭州西湖、蘇州園林、安徽黄山、長江三峡、日月潭、避暑山荘、兵馬俑でした。これは、1985年、中国で唯一の旅行業界専門新聞「中国旅游報」が半年の時間をかけて討論し、その年の9月9日に発表した結果です。これが30年以上たった現在も「中国十大名所旧跡」として定着しています。

水墨画の世界が広がる桂林の風景は、外国人にとって中国そのもの 水墨画の世界が広がる桂林の風景は、外国人にとって中国そのもの

10か所のうち、誰もが納得の9か所

私が行ったことがあるのは、台湾の日月潭と安徽省黄山以外の8か所です。誰もが納得の万里長城は八達嶺、慕田峪、金山嶺、司馬台に加え、万里長城の西の端と言われる甘粛省の嘉峪関も含まれています。偉大な中国の歴史そのもののような故宮博物院と秦始皇帝陵も納得です。豊かな江南の文化を代表する杭州西湖、中国式庭園を代表する蘇州園林は、漢民族の世界そのもの。歴史的に豊かで富裕層の文化が花開いた江南から出て行き、水墨画の世界が広がる桂林、仙人が住む山を思わせる黄山もツボを押さえた選択です。悠久の中国を感じさせる長江の三峡下りもはずせません。台湾の日月潭が含まれている理由もわかります。気になるのは、承徳の避暑山荘です。

秦始皇帝陵は、中国の偉大な歴史と死後まで皇帝であろうとする皇帝の思想に驚く 秦始皇帝陵は、中国の偉大な歴史と死後まで皇帝であろうとする皇帝の思想に驚く

避暑山荘と中国五岳で最も格が高い泰山

承徳は、北京を取り囲んでいる河北省東北部に位置しています。避暑山荘は、清朝の康熙帝、雍正帝、乾隆帝が三代にわたって建設した宮殿です。康熙42(1703)年に建設が始まり、完成したのは乾隆57(1792)年。総面積564万平方メートルもあり、皇帝は5月から9月にかけて、ここで政務を行いました。歴史はわかりますが、避暑山荘が入るなら、山東省の泰山も入っていいのでは? 泰山は、中国の五岳の中で最も重要な山です。皇帝が即位した際、山頂に祭壇を作り、天に向かって、その正統性を示す封禅の儀式を執り行うのが泰山です。歴代72人の皇帝がこの封禅の儀を執り行ったとされています。十大名所旧跡に泰山もふさわしいと思うのですが、避暑山荘に負けてしまいました。中国って、世界遺産級の名所旧跡が多すぎます。あなたは、中国十大名所旧跡の中でいくつ行ったことがありますか?

承徳の避暑山荘と一緒に世界遺産に登録された外八廟。ラサのポタラ宮を模して造られた 承徳の避暑山荘と一緒に世界遺産に登録された外八廟。ラサのポタラ宮を模して造られた