四川省の家のベランダや窓で目にする肉の塊

窓からぶら下がる、飴色に変色した肉やソーセージを見ると、「四川にやってきた!」と言う気分になります。四川省では、肌寒い季節になると、多くの家庭が、田舎であれ都会であれ、窓やベランダに肉の塊とソーセージをぶら下げています。外国人旅行者から見れば、「鳥につつかれないのかな?」、「雨が降ったら、どうするんだろう?」と気になってしょうがありません。これは四川人のお正月やお祝いの席には欠かせない「腊肉(ラーロウ)」と「腊腸(ラーチャン)」です。もちろん、普段の食事の時にも食べる、この腊肉と腊腸は四川人の生活になくてはならない肉です。

ラーロウとラーチャンは四川省の冬の風物詩。干す期間や使うスパイスは、家ごとに異なります ラーロウとラーチャンは四川省の冬の風物詩。干す期間や使うスパイスは、家ごとに異なります

すっきりしないお天気が四川料理の源

中国の西南部に位置する四川省は、雲南、甘粛、青海、陝西、貴州省とチベット自治区に接している大きな省ですが、山と丘陵が85%近くを占めています。四川省の人口が密集している四川盆地は、日照時間が短く、夏は蒸し暑く、冬もじわ〜っと寒いところです。年間を通して、すっきりしないお天気なので、体の中から汗を出るように豆板醤や唐辛子を使った辛い料理が生まれたと言われています。外に吊るして、じっくり肉を熟成させてから食べるという肉食文化が生まれたのは、こんな土地です。

簡単! 四川名物のラーロウの作り方

今、自分で豚の腸を手に入れて、細かく刻んだ豚肉を腸の袋につめるというソーセージ作りをしている人は減ってきています。ソーセージより簡単にできる四川風腊肉の作り方をご紹介します。夏は腐ってしまうので、腊肉作りに適した季節は、冬です。冬至が近づくと、四川人の家庭では、豚ばら肉の塊を買います。豚ばら肉の塊に塩、酒、五香粉、花椒などをふりかけて、手でもみこみ、1日おいておきます。翌日から約1週間以上、風通しのよいところにぶら下げます。水分が抜け、うまみがました肉を炭火で薫製にしたら、できあがり。

まずは「ラーロウバイツァイ」を作ってみよう!

四川人の親が、遠く離れた地に住む息子や娘を訪ねて行く時、必ずといっていいほどこの腊肉を持っていきます。子供に故郷の味を食べさせたいと思ったら、腊肉といわれています。腊肉は炒めて良し、蒸して良しと、使い方は様々です。私が好きなのは、白菜と一緒に蒸すだけの「腊肉白菜(ラーロウバイツァイ)」です。適当に切った大量の白菜の上に、5ミリほどの厚さに切った腊肉を適当にのせ、蒸し器で20〜30分蒸すだけ。調味料は一切なし。腊肉からじんわりあふれ出したうまみが、クタクタの白菜にしみこんで、感動的においしい料理です。腊肉は、四川省ならスーパーで簡単に買える食材です。ぜひ、一切れ買って、お試しあれ!