粉もの好きが中国を大好きになる理由

粉ものが好きな人なら中国は天国です。中でも小麦粉で作ったパンやお焼きなどは「餅(ビン)」と呼ばれ、都市ごとにめずらしい餅があります。何かにつけ物価が上がった、割高だと感じる中国ですが、餅だけは今も安くて、ものすごくおいしい。しかし、安いと言っても、さすがに1枚1元(約16円)程度で買えるものは珍しくなりました。肉入りなら1枚5元(約80円)肉なしでも2元(約32円)ぐらいはします。とは言っても、日本の感覚からすれば、まだまだ安い。だから餅好きの人は、珍しい餅や焼きたての餅を見つけると、つい味見したくなっちゃいます。餅好きには、これが中国の旅の楽しみのひとつです。

四川省の成都で人気の「鍋クイ」とは?

日本人旅行者が多い成都は、西南部の四川省の省都です。成都は三国志のふるさととしても知られ、世界遺産の九寨溝への起点の町でもあるので、幅広い層の日本人旅行者が訪れます。成都の名物のひとつが「鍋クイ(灰の下に皿)」です。油でカリッとした焼いた肉入りの餅で、肉は豚と牛から選べます。どちらの肉を選んでもほどよい塩味の餅は、おいしくて、成都滞在中は毎日でも食べたくなるほどです。もともとは1センチあるかないかの生地ですが、最近はかなり分厚いタイプが人気のようです。

成都の鍋クイ。黒ごまがついているのは牛肉入り、ゴマがついていないのは豚肉入り 成都の鍋クイ。黒ごまがついているのは牛肉入り、ゴマがついていないのは豚肉入り

成都以外の都市で大好きな鍋クイを発見!

この鍋クイ、中国に通っていると、成都以外の都市にもある食べ物だってことがわかってきました。あまりにもシンプルな名前すぎて、総称に近い感じです。中国のおへそのような位置にある陝西省の古都、西安やお隣の宝鶏市にもありました。ただ、ぱっと見ただけでは鍋クイとは思えないぐらい見た目も味も異なるものでした。共通しているのは、原料の小麦粉と焼いて作るという2点だけです。味と食感を比較したくて、いや、どうしても味見したくて買ってみました。持ってみて、びっくり。ずっしり重い!

陝西省の人気観光地、法門寺で見つけた、見た目も食感も重そうな粉もの。 陝西省の人気観光地、法門寺で見つけた、見た目も食感も重そうな粉もの。

陝西省の鍋クイとは、どんな食べ物?

宝鶏市の路上市場で買った鍋クイは、とにかく分厚い。厚みは軽く5センチ以上、しかも巨大! 成都の鍋クイのように直径10数センチ、厚み1センチなんてもんじゃありません。宝鶏市のは直径30センチ以上はあります。肉は入っておらず、味は小麦粉本来の味を楽しむといった感じです。成都の鍋クイは、おやつに近いですが、宝鶏市のものは主食です。陝西省は米をよく食べる四川省と違い、粉ものを主食としている地域です。鍋クイも主食の一つで、どんな料理と一緒に食べてもあうように、味はついていません。さすが、中国は広い! どこに行っても餅系にはハズレなし! ただネーミングがシンプルなものが多いので、名前は同じでも全く別物の餅が全国にあふれていそうです。

宝鶏市の鍋クイは、ひとつがあまりにも巨大なので、量り売りが基本 宝鶏市の鍋クイは、ひとつがあまりにも巨大なので、量り売りが基本