中国西南部に広がっている土鍋ごはん、「砂鍋飯」とは?

大好きな砂鍋飯! 見つけた瞬間に今日の晩ごはんは、これに決定! 「砂鍋飯(シャーグオファン)」は、中国西南部の広西壮族自治区、雲南省、広東省に広まっている土鍋ごはんです。土鍋にくっついたお焦げをゴリゴリ削って食べると、本当に美味しい。土鍋に入っているだけでポイントが高く、日本人ファンも多い中国B級グルメのひとつです。南部から西南部にかけて広まっているので、地方ごとに特色があります。サラミ、骨付き豚肉などを入れ、あっさり炊き上げる広東省、米だけを土鍋で炊き、食べる時に野菜炒めをのっける広西壮族自治区など、同じ砂鍋飯とは思えません。私のおすすめは、グリンピースやじゃがいもを入れて炊く雲南省のものです。軽い塩味で、じゃがいもが入っているので、ホクホクした仕上がりです。

広東省の砂鍋飯。注文してから炊くので時間はかかるが、待つ価値あり! 広東省の砂鍋飯。注文してから炊くので時間はかかるが、待つ価値あり!

西南部に多い砂鍋飯が、四川省や成都で見つからない理由

この砂鍋飯、どういうわけか、四川省では、今まで一度も見つけられませんでした。西南部に位置する四川省は、雲南省のお隣。しかもB級グルメと言えば、雲南省よりも四川省のほうがずっと種類が多く、充実しています。でも、見つからない。四川は、地元グルメが豊富すぎて、なかなか他省の名物が入って来にくいという理由も考えられます。その砂鍋飯に四川省で遭遇! うれしいのは、もちろんですが、その場所を考えると、うん、あり得ます。そこは、四川省最南部の涼山イ族自治州の州政府所在地の西昌です。ぽっこり突き出た形をしている州の東西を雲南省に挟まれており、四川省でありながら雲南省の影響を感じる場所です。

西昌の町のいたるところで、黒いマント、長いギャザースカートのイ族の女性の姿を見かける 西昌の町のいたるところで、黒いマント、長いギャザースカートのイ族の女性の姿を見かける

砂鍋屋さんが、並んでいる西昌古城に行ってみよう!

涼山イ族自治州は、雲南省や四川省西南部に多く住んでいる少数民族のイ族の自治州で、人口の半分をイ族が占めています。そのため、州内の通りやお店には、漢字と共に記号のようなイ族の文字が並べられています。州の南西から北東に向かって走る大涼山は、イ族の大拠点です。砂鍋飯のお店は、西昌のイ族が多い地区で見つかりました。西昌古城と呼ばれる旧市街の大通門のすぐそばにお店があります。ここは、イ族の民族衣装やアクセサリー屋さんの密集区です。そのため黒いロングスカートやマントを着たイ族の姿が目につきます。砂鍋飯も、このイ族が経営する食堂でした。

西昌古城のシンボルと言える大通門。明代の洪武20(1387)年に建てられたもの 西昌古城のシンボルと言える大通門。明代の洪武20(1387)年に建てられたもの

四川省らしくない西昌で食べた砂鍋飯

四川や雲南省では欠かせない干した豚肉や香腸(ソーセージ)入りの砂鍋飯の中をほじくってみました。じゃがいもたっぷりのホクホク! 干した豚肉や香腸から出る塩味もちょうどいい! お店がある西昌は、「小春城」と呼ばれています。夏は涼しく、冬暖かい1年中春のような気候です。雲南省の省都、昆明の別名が「春城」なので、西昌を「小春城」と呼ぶのかもしれません。おだやかな春のような気候といい、雲南省に多く住むイ族が多い町といい、西昌は、四川であって、四川ではない町と言えるのではないでしょうか。流れている空気も雲南っぽい。雲南省の人気グルメ、砂鍋飯が西昌で見つかっても全く不思議じゃありません。砂鍋飯のファンのあなた! 西昌に行ったら、古城の上順城街で砂鍋飯を食べてみませんか!

干した豚肉入りの砂鍋飯。おいしい干し肉があれば、他に調味料はいらない 干した豚肉入りの砂鍋飯。おいしい干し肉があれば、他に調味料はいらない