成都でよく耳にする「蒼蝿館子(ツァンイングァンズ)」とは?

「青蝿食堂?、青バエ?、なんだかすごく汚そう」。その通り! 清潔ではないことは確かです。中国の西南部に位置する四川省の省都、成都には、「蒼蝿館子」と言う言葉があります。日本語で言うなら「青バエ食堂」です。その名の通り、青バエが飛んでいるような清潔とは無縁の食堂のことを指します。成都と言えば、三国志とパンダのふるさとでもあり、花椒や唐辛子たっぷり入った四川料理が有名です。強烈な再開発と発展で90年代頃までは、普通に見られた昔ながらの茶館や木造家屋は失われてしまいました。それでも上海、北京、広州などの沿岸部の大都市と比べると、内陸部の田舎です。だからまだ、青バエ食堂みたいなところが生息?しているのかもしれません。

2017年現在の青バエ食堂の3つの定義とは?

成都人が自虐的な愛をこめて言う青バエ食堂には、少なくとも3つの定義があります。まず、食堂の環境が清潔ではないこと。床は使用済のティッシュが散乱し、火鍋屋なら床が油でヌルヌルしているなどです。2番目は料理が本格的でおいしいこと。他の店にはマネできないような独創的な料理や味があること。3番目は、料金が安いことです。以前は、食堂が大通りに面していない路地にあることなどの条件もありましたが、最近は、それは入っていません。要は清潔ではないけれど、安くておいしいのでみんなに愛されているお店です。だから、青バエ食堂は、どこもお客でいっぱいです。

写真は、重慶の有名麺店で青バエ食堂ではありませんが、こんな感じが青バエ食堂です 写真は、重慶の有名麺店で青バエ食堂ではありませんが、こんな感じが青バエ食堂です

私も行ったことがある青バエ食堂「甘記肥腸粉」

名前は不潔でも成都人に愛されている食堂なので、「成都24家蒼蝿館子排行榜」のようなものがあります。これは「成都青バエ食堂トップ24」というランキングです。その中に私が成都に行くたびに泊まるユースホステルのそばの食堂が入っていました。「甘記肥腸粉」と言うお店です。豚の腸入りの激辛春雨のお店ですが、お昼どきは常に超満員。路上までお客がはみだし、地面には使用済みのティッシュが散乱しています。確かにキレイには見えませんが、おいしいお店です。でも、2001年に約1年間、成都に住んでいた私から見れば、全く納得できません。今は、この程度で青バエ食堂なの?

午後2時頃の「甘記肥腸粉」。道路に散らばったティッシュはさておき、お店は意外ときれい 午後2時頃の「甘記肥腸粉」。道路に散らばったティッシュはさておき、お店は意外ときれい

私も通っていた2001年頃の青バエ食堂とは?

2001年頃の青バエ食堂と言えば、ボロボロの古い家屋が食堂になっており、まともなメニューもないところがほとんど。メニューは、パソコンか何かで普通の紙に料理名を打ち出したものがラミネート加工されているだけのもの。しみだらけの壁に料理名をかいた紙を貼りつけただけのところもありました。そしてそんな食堂のご主人と言えば、お決まりのように不愛想。これが当時の青バエ食堂です。だから、今、ランキングに入っているお店なんて、私には「どこが青バエ食堂やねん!」という感じです。今は、青バエ食堂の環境も改善され、お客が増えると、かなり清潔になると言われています。成都に行ったら怖いもの見たさで青バエ食堂に行ってみませんか! 思っていたほど汚くはないかもしれませんが、間違いなくおいしいお店ですよ。

成都青バエ食堂のランキングにも入っている火鍋屋。日本語に直すと「便所火鍋」。オープン前だがお店は清潔そう。今時の青バエ食堂は、かなり清潔 成都青バエ食堂のランキングにも入っている火鍋屋。日本語に直すと「便所火鍋」。オープン前だがお店は清潔そう。今時の青バエ食堂は、かなり清潔