麺の本場の中国で、よく目にする「鶏雑麺」

日本人の麺好きが中国に行くと、麺の本場で、何はともあれ、いろんな麺料理を食べてみたいと思うでしょう。四川省成都に行けば、激辛の「汁なし担担麺」、北京ならみそたっぷりの「ジャージャー麺」を食べようと思っている日本人は、少なくありません。日本のテレビ番組で目にした、刀で小麦粉生地を削って作る「刀削麺」を中国でぜひ、食べてみたいという人もいます。そんな麺好き日本人なら「鶏雑麺(ジーザーミェン)」って、気になりませんか? 北京や天津などの中国北部ではあまり見かけませんが、中国西南部の雲南省や四川省では、おなじみの麺です。

成都で人気の鶏雑麺 成都で人気の鶏雑麺

麺料理が豊富な成都だから食べられる鶏雑麺

日本人旅行者も多く訪れる四川省の成都は、小麦粉を主食とする地域ではないのに、怪味麺、甜水麺、燃麺、鋪蓋麺、査査麺など、麺の種類が豊富な町です。成都で様々な麺が食べられる麺館に行くと、鶏雑麺は、だいたいどこでも食べられます。中国人が大好きな豚のスペアリブをのっけた排骨麺(パイグーミェン)や名物の担担麺ほどでは、ありませんが、鶏雑麺もかなりメジャー。「鶏雑」って、鶏の臓物のことです。鶏の臓物って、日本人にはなじみが薄いですが、中高年の中国人にとっては、「鶏雑」と言えば、中国が豊かではなかった頃の懐かしの味だそうです。

西南部の広西壮族自治区の賀州では、お正月料理に鶏肉は、欠かせません 西南部の広西壮族自治区の賀州では、お正月料理に鶏肉は、欠かせません

鶏雑は、中高年の中国人の懐かしの味!

中高年の中国人の鶏雑の思い出は、農村の生活を思い起こさせるものです。子供の頃、逃げまわる鶏をお母さんが、追い詰めて捕まえ、あっという間に首をかき切り、お碗に血を受ける姿だそうです。この血を使って作った、赤黒い豆腐のようなものを入れたスープも懐かしの味のひとつ。スープの具は、もちろん砂肝や腸などの内臓です。肉食の歴史が日本よりずっと長い中国なので、鶏をつぶすと、余すことなく使いきります。爪がついた足先だって、おいしくいただきます。今でも鶏の内臓を使った激辛炒めの「爆炒鶏雑(バオチャオジーザー)」は、西南部の人気料理の一つです。

広州市中心部の路上市場で売られていた鶏。 広州市中心部の路上市場で売られていた鶏。

鶏雑にぴったりの味付けとは?

爆炒鶏雑のように鶏雑を使った料理は、唐辛子たっぷりの味付けが似合うのか、どれも激辛! 鶏雑麺は、この激辛鶏の内臓炒めをぶっかけた汁麺です。真っ赤な鶏雑は、砂肝のコロコリした歯ごたえやウニュッとした腸の食感が楽しめます。油たっぷりで、唇がしびれるような辛い味付けもおいしい。「泡椒(パオジャオ)」と呼ばれる、緑の唐辛子で作った辛い漬物と一緒に鶏雑を炒めたものは、真っ赤な鶏雑よりも辛いです。とにかく西南部に多い鶏雑麺は、辛い麺であることに間違いはありません。見ためだけでなく、本当に辛い鶏雑麺ですが、辛いもの好きの人なら、食べてみませんか!

成都の麺館で食べた鶏雑麺。こってり重い辛さが四川省の味 成都の麺館で食べた鶏雑麺。こってり重い辛さが四川省の味