「中国五大麺」になぜか含まれていない麺とは?

2018年1月30日、中国のニュースサイト「今日頭条(今日のトップニュース)」で「中国の五大麺! 2種類以上食べたことある人はすごい!」と言う特集記事が載っていました。「ふ〜ん、たった2種類ですごいの?」と思いながら、記事を読んでいると、反論がこみあげてきました。私が好きな牛肉麺(ニュウロウミェン)、油溌麺(ヨウポーミェン)、麺片(ミェンピェン)がランクインしていません。中でも牛肉麺は、中国の西から2番目の細長い省、甘粛省蘭州市の名物です。中国全土で食べられるほど、有名な麺なのに、ランクインしていないのはどうして?

炸醤麺のみそは、黄醤と呼ばれる、ややしょっぱいおみそ。北京の家庭には欠かせないみそ 炸醤麺のみそは、黄醤と呼ばれる、ややしょっぱいおみそ。北京の家庭には欠かせないみそ

中国人が選ぶ「中国五大麺」とは?

「中国五大麺」とは、上から山西省の「刀削麺(タオシャオミェン)」、河南省の「ホイ(火へんに会)麺(ミェン)」、四川省の「担担麺(タンタンミェン)」、北京の「炸醤麺(ジャージャーミェン)」、湖北省の「熱干麺(ルーガンミェン)」です。私は、5種類全部食べたことがあります。熱干麺は、本場で食べていませんが、その他の4種類は、本場で食べました。サイトが選んだ「五大麺」の結果には、一応納得。どれも中国では誰もが知っている超メジャー麺です。ただ、他の4種類より微妙に知られていない熱干麺ではなくて、牛肉麺でも良かったのでは? アンケート対象などもわからない記事のため、著者の好みが大きく影響しているのかもしれません。

山西省生まれの刀削麺。中国北部ならどこでも食べられる 山西省生まれの刀削麺。中国北部ならどこでも食べられる

五大麺とは、汁麺それとも混ぜ麺?

簡単に五大麺を説明すると、刀削麺は、麺生地を刀で削り落として作る重い食感の麺。ホイ麺は、牛骨や羊から取ったスープで食べる幅広麺。担担麺は、胡麻、ラー油のタレで食べる混ぜ麺。炸醤麺は、黄醤と呼ばれる味噌ダレで食べる野菜たっぷりの混ぜ麺。熱干麺は、胡麻、辣油、酢のタレで食べる混ぜ麺。担担麺と熱干麺は、ちょっと似ています。五大麺の中で汁麺は、ホイ麺と刀削麺だけです。ただ、刀削麺は、本場の山西省では、混ぜ麺や炒麺にする時も多いので、汁麺と言いきれません。麺の本場、中国では、汁麺より混ぜ麺のほうが主流なのです。

四川の担担麺。四川は中国南部に位置し、米が主食のエリアだが、麺もよく食べる 四川の担担麺。四川は中国南部に位置し、米が主食のエリアだが、麺もよく食べる

2018年1月30日の記事の「中国五大麺」に納得できない人たち

五大麺の記事を読んでいくと、読者のコメントが載っていました。やはり陝西省の読者のものが目につきます。陝西省は、山西省の西側に位置しています。黄土高原が広がっている北部は、山西省とつながっているため、食文化が似ています。中国では麺と言うと、山西省と陝西省なのです。陝西省の読者は、どれも「どうして私たちの陝西省の麺が一つも入ってないの?」、「油溌麺は?(結果に不満で)もう寝る」と言った意見ばかり。陝西省の麺が好きなので、私も賛成! 中国って、省の数だけ名物麺があると言ってもいいぐらい麺文化が豊かな国です。メジャーなものを5つに絞るなんて無理。せめて十大麺にしてほしい!

陝西省の家庭でもよく食べる油溌麺。油溌辣子と呼ばれる辣油をかけて食べると、なんでも油溌麺になる 陝西省の家庭でもよく食べる油溌麺。油溌辣子と呼ばれる辣油をかけて食べると、なんでも油溌麺になる