90年代の日本のバックパッカーブームに生まれた「沈没」とは?

90年代に中国に行くと、めぼしい観光地に近い都市ならどこに行っても日本人がいました。なかでも東南アジアに近い雲南省の大理は「沈没」している日本人が多いことで有名でした。「沈没」とは、その街で特に何をするというわけでもなく、長期滞在し、ただ、のんびりすることです。転職の合間に「次はいつ、長期旅行ができるかわからないから」と言って、できる限り長期旅行する人が少なくありませんでした。もっと多くの国や都市に行くはずだったのに、居心地の良い街と運命的出会いをしてしまい、「沈没」してしまった。こんな日本人が中国各地にいました。

転職の合間に長期旅行!中国は今、空前のバックパッカーブーム? 転職の合間に長期旅行!中国は今、空前のバックパッカーブーム?

中国語で「背包族」って、どういう人たち?

その後、サーズの大流行、リーマンショック、日本の景気低迷がありました。今、中国で日本人バックパッカーに出会うことは少なくなりました。そのかわり中国人バックパッカーが驚異的に増えました。中国ではバックパッカーのことを「背包族(ベイパオズー)」と言います。まさに背中にバッグをしょった人たちという意味です。もともと中国のバックパッカーは、仕事がある人たちです。連休になると、四川省や雲南省などの自然が美しい内陸部の旅に出かけるような人たちでした。それが、2010年以降、かなり変わってきました。中国人バックパッカーも仕事をやめ、転職の合間に旅行している人たちが増えました。

中国人バックパッカーの「沈没地」は外国人旅行者にも人気のあの都市

転職の合間に旅行をするので、普段は行けないところに行こうと思うのは中国人も同じです。転職組バックパッカーは中国の内陸部に行くと、一気に増えます。彼らが好きな場所は外国人旅行者にも人気が高い四川省の成都、雲南省大理、麗江、新疆ウイグル自治区のカシュガルなどです。どこも手ごろな価格で泊まれるユースホステルがあり、街に特徴があるところです。中でもチベット自治区のラサに行く起点になる成都、中国人バックパッカーの聖地と言われる大理では、中国人バックパッカーがまさに「沈没」しています。

中国でも転職が簡単、いつでも仕事がある職業は?

沈没組中国人バックパッカーいわく、「選ばなければ転職は簡単」だそうです。中には「旅の途中で、気に入った町で仕事を探すつもり」なんていう人もいます。「仕事はやめてきたけど、私はいつでも仕事があるから、帰る時期は決めてないの」と言う女性バックパッカーに会いました。私は彼女の仕事がわかりました。「看護師だよね?」と尋ねると、予想通り正解でした。日本のバックパッカーブームの頃も、いつ、帰国しても仕事があるのは看護師と美容師でした。中国のバックパッカーブーム、20年前の日本のバックパッカーブームを見ているようで、とても懐かしいのです。