人生初の麻婆豆腐、さてその感想は?

「うわあ、表面が真っ黒。辛すぎて食べられない…。」四川省の成都で初めて名物の麻婆豆腐を食べた時、いや、食べる前から衝撃でした。大量の花椒で真っ黒け。食べると唇がじじ〜んとしびれました。生まれてからこの日まで体験した辛い料理が、全く辛くない料理に思えるほど辛かった。中国の西南部に位置する四川省は、山が多く、省都の成都は、周辺を山に囲まれた盆地です。夏はねっとり蒸し暑いところです。こんな気候なので、汗をかいて新陳代謝を促すために、香辛料を多用した辛い料理が生まれたと言われています。10数年前、私が初めて食べた「陳麻婆豆腐店」の麻婆豆腐は、あり得ないほど辛い料理でした。

真っ黒な花椒とたっぷりの油! 油とセットになった重い辛さが四川料理の辛さ 真っ黒な花椒とたっぷりの油! 油とセットになった重い辛さが四川料理の辛さ

「陳麻婆豆腐店」で見た中国人の反応

「陳麻婆豆腐店」は、今や中華料理の顔とも言える麻婆豆腐を最初に作った陳ばあさんのお店です。中国全土から観光客がやって来る有名店です。私が行ったのは、市内中心部の本店ではなく、西部にある青羊宮店なので、比較的観光客が少ないお店でした。まわりの中国人のお客を見ていると、麻婆豆腐の上にたっぷりかかった黒い花椒をれんげでとって、床にペシッと叩きつけています。この麻婆豆腐は中国人でも辛いんだなあ。四川料理は口がしびれるような辛さが特徴です。これは、たっぷりかけられた花椒によるものです。

中国で今も続いている健康ブームとは?

初めて正真正銘本場の麻婆豆腐を食べてから、10数年以上がたちました。今、中国は13億人が総健康化と言ってもいいほどの健康ブームです。生活レベルがあがり、健康を気にする人が増えました。そこにつけこんだ怪しい健康食品会社はいくらでもあります。来日中国人が、サプリメントや青汁を爆買いするのも、もちろん健康ブームと関係があります。そして、そんな健康食品をとる前に、食生活にも気を配る人が増え、それが当たり前になりました。

中国人の食生活は、こんなに変わった!

残存農薬が怖いので、野菜は1時間ほど水につけてから使います。昼ごはんをしっかり食べ、晩ごはんはお粥など、軽いものを食べる家庭も増えました。また、極端に辛いものは体によくないと考える人が増え、辛い料理を控えるようになりました。その結果、中国人は、昔ほど辛い料理を食べられなくなり、辛さも昔ほどではなくなりました。とは言っても、本場の四川料理は、四川人以外には十分辛いですが、10年前と比べるとマイルドになっているはずです。久しぶりに陳麻婆豆腐店で麻婆豆腐を食べたくなってきました。あの花椒の量は、今、どうなっているのでしょうか?