人々の憩いの場所、茶座

緑多い公園の一角に、竹でできたしっかりとしたいすとテーブルが並んでいます。そこに座ってお茶を飲みつつ、人々が思い思いに時を過ごしています。新聞を読む人、おしゃべりに花を咲かせる人、マージャンやカードゲームに興じる人、ぼんやりと虚空を見つめる人……。中国の四川省を訪れると、きっと何度かこのような光景を目にすることでしょう。これは茶座と呼ばれる青空喫茶で、1杯のお茶を頼めば1日中座っていてもよく、庶民の憩いの場となっています。

耳かき屋も回ってくる成都の茶座。1杯のお茶でのんびりくつろぎましょう 耳かき屋も回ってくる成都の茶座。1杯のお茶でのんびりくつろぎましょう

茶座は喫茶店の原型!?

古くからの茶の産地であった四川省は、喫茶の習慣発祥の地といわれています。上に述べたような茶座は、かつては中国各地にあったようですが、現在は四川省以外ではほとんど見なくなってしまいました。つまりここは、遠い昔と変わらぬ光景を目の当たりにでき、かつ自分もその雰囲気を味わえる場所なのです。パンダや麻婆豆腐ばかりでなく、こうした茶座の光景も、四川省の名物といっていいでしょう。観光で成都を訪れる場合は、観光名所に併設されていることも多いので、ぜひ試してみてください。

茶座でのお茶の飲み方

まず売店で、茶葉の入った茶碗を選びます。ジャスミン茶や緑茶など、種類によって値段はさまざま。茶碗を持って席に着くと、店員がときどき来て湯を注いだり継ぎ足したりしてくれます。もしくはあらかじめ湯の入ったポットを渡されることもあります。茶碗は蓋碗というフタ付きのもので、フタを上手に使って茶葉が口に入るのを防ぎながら飲みます。食べ物を売っていることがありますが、外からの持ち込みも自由。腰を落ち着けたら、本を読んだり、周囲の人々を眺めたり。四川省ならではのゆったりとした時を、こころゆくまで楽しみましょう。

耳かき屋、登場!

茶座でお茶を飲んでいると、所によってはさまざまなサービスを行なう人が回ってきます。新聞売り、マッサージ師、そして占い師など。そして、チャリーンという金属音を立ててやって来るのが耳かき屋。お願いすると、席に座ったままで耳かきをしてもらえます。私は体験したことがないですが、さすがはプロ。その手さばきは巧みで、非常に気持ちのいいもののようです。庶民の憩いの場である茶座。訪れてみれば、この地域ならではののんびりした時間の使い方が、非常に贅沢なものであることに気付くでしょう。