成都に近い彭真に残る奇跡の茶館

今時、ここまで昔ながらの茶館が残っているなんて、まさに奇跡! 薄暗い茶館内部の写真を撮っていると、茶館の老板(ご主人)の李強さんが、私の一眼レフをマニュアル設定に変えて、素敵な写真を撮ってくれました。写真を撮るのが上手ではない私は、いつもカメラにおまかせの自動で撮っています。マニュアル設定に変えられても困るんです。自動に戻して、写真を撮っていると、薄暗い茶館でフラッシュが光ってしまいました。すると、なんだか冷たい視線を感じました。ここは、四川省の写真好きが集まる茶館です。みなさん、とっても高そうな一眼レフを持っています。薄暗い茶館そのままの雰囲気を生かした芸術的な写真を撮っています。李強さんにも「まだ、自動で写真を撮っているの!」と注意を受けてしまいました。

李強さんが撮ってくれた、茶館の常連さんの写真 李強さんが撮ってくれた、茶館の常連さんの写真

伝統的な四川スタイルの茶館とは?

この奇跡の茶館は、四川省の省都成都から806b路バスで約1時間半の彭真というところにあります。バスの終点はちょうど旧市街の入り口になっていて、そこに「観音閣老茶館」があります。400年もの歴史がある木造家屋に古びた竹の椅子、質素な木のテーブルといった四川の伝統的な茶館は、成都ではもうほぼ見られません。観音閣老茶館は、その伝統的な姿がそのまま残った茶館です。806bバスを終点で降りると、茶色の道路標識に「老茶館」と書かれているのですぐ、わかりますよ。一時期、観音閣老茶館の建物があまりにも古く、再開発の波も押し寄せているので存続が危ぶまれていました。

薄暗い茶館の中央部には、石炭を入れた炉でお湯を沸かしているところがあります 薄暗い茶館の中央部には、石炭を入れた炉でお湯を沸かしているところがあります

存続が危ぶまれた茶館が、生き残るための道

観音閣老茶館にやってきた人は、「毛主席万歳!」と書かれた壁の絵や、石炭でお湯を沸かす様子に驚き、インターネット上にアップしました。その後、多くの写真好きがやって来るようになりました。老板の李強さんも茶館がインターネット上で有名になり、多くの人が訪れるようになれば、存続できるのではないかと考えていたそうです。私が行った2016年10月には「老茶館」と道路標識が出ていました。どうやら存続が本決まりになったようです。ただし観音閣老茶館はネット上であまりにも有名になってしまったので、今では四川省だけでなく、全国の写真好きが集まるサロンと化してしまいました。

自分の楽しみ方にあった時間に行ってみましょう!

午後になると、サービス精神旺盛な李強さんが、被写体としては最高のおじいさんをモデルに写真撮影会を開いてくれます。椅子に座り、長キセルを吸うおじいさんのまわりには、旅行者が集まり、シャッターを切る音が響きます。「旅行者ばかりで地元の人間がほとんどいないじゃないか!」、「これでは伝統的な茶館とは言えない」と言う人もいるかもしれません。観音閣茶館は、今ではこんな風にミーハーな楽しみ方もできる場所なのです。地元のお年寄りが集まる本来の茶館の姿を楽しみたいなら、早朝に来ましょう! 観音閣茶館は、朝5時から開いているので、午前9時前頃までが地元の人たちが多い時間です。自分の好みに合わせた楽しみ方ができる観音閣茶館に行ってみませんか!

常連のおじいさんのモデルもかなり板についています! 常連のおじいさんのモデルもかなり板についています!