日本でも公開された「霊幻道士」のロケ地として有名な古鎮

いやあ、ここまで変わっていると、ただ、ただすごいです。ミニ遊園地あり、噴水あり、村の真ん中を流れる小川あり! 黄龍渓古鎮って、こんなところだったかしら? ここまで再開発を進めると、もう別の町としか思えません。黄龍渓古鎮は、中国西南部に位置する四川省の成都郊外にある古い村です。成都郊外には、黄龍渓古鎮以外にも洛帯、街子、安仁などいくつもの古鎮があります。最近では、安仁古鎮をとりあげているガイドブックが多いのですが、2000年代前半は黄龍渓古鎮のほうが圧倒的にメジャーでした。黄龍渓古鎮は、1986年に日本でも公開され、大ヒットした「霊幻道士」のロケ地として知られています。その後も数多くの中国ドラマや映画が撮影されたところです。

黄龍渓古鎮内に作られた噴水。昔っぽく作られた水車は、各地で見られるが噴水まで作るとは! 黄龍渓古鎮内に作られた噴水。昔っぽく作られた水車は、各地で見られるが噴水まで作るとは!

黄龍渓古鎮の一番、古鎮らしいところ

私が初めて黄龍渓古鎮を訪れたのは、成都の西南民族大学に留学中の2001年です。その頃、霊幻道士のロケ地として、既に有名だったにもかかわらず、ひなびて静かな古鎮でした。黄龍渓古鎮の歴史は古く、古鎮ができてから既に1700年以上の歴史があると言われています。成都から東南に約42キロの府河沿いにある黄龍渓古鎮は、交通の要衝として栄えてきたところです。府河沿いのメインストリートである正街の周辺には、上河街、下河街、復興街などの通りがあり、清代の建築物が今も残っています。このあたりが、黄龍渓古鎮の古鎮らしいところです。それ以外と言うと、それ以外の部分がほとんどなのですが、そこは新しく作られたところです。

古鎮の中心部にある古龍寺。清代に作られた舞台が残っている 古鎮の中心部にある古龍寺。清代に作られた舞台が残っている

噴水、小川などなど古鎮テーマパークの風景が続きます!

成都の新南門を出発したバスは、黄龍渓古鎮のバスターミナルに着きます。ここから古鎮の入り口が、けっこう遠いです。それだけ古鎮の規模が大きくなったということかもしれません。古鎮の入り口から入ると、中国でよく言われる「模倣街」が続きます。模倣街とは、古くみせかけて作った民家が並ぶ通りのことです。この模倣街を抜けると、噴水が現れます。かなりテーマパークっぽい感じがしてきました。噴水の向こうには、小さな遊園地もあります。遊園地とは逆の方向の石段を登れば、古鎮の核心的部分である正街に近づくのですが、ここでもう一度、驚愕。真ん中を小川が流れる模倣街がエンエンと続いています。ここまでやると、古鎮というより古鎮テーマパークです。

模倣街の中心部を流れる小川。ばっちり決まりすぎて、テーマパークっぽい! 模倣街の中心部を流れる小川。ばっちり決まりすぎて、テーマパークっぽい!

好みがはっきりわかれる黄龍渓古鎮

テーマパークなので、豆板醤などのお土産物屋さん、名物のお米で作った蒸しパン屋さんなどは充実。つまみ食いしながら古鎮内を散歩できます。府河が見えてきて、正街に足を踏み入れると、がらっと雰囲気がかわります。一気に建物がくたびれ、統一性がなくなります。やっと本物の古鎮に到着! 村人が利用する豆腐飯や豆の揚げもの屋さんが並ぶ通りでは、今も2001年頃と変わらないのどかな雰囲気を楽しめました。噴水、小川、遊園地と、やりすぎ感が漂う黄龍渓古鎮は、合う人と合わない人がはっきり分かれそうです。それでも古鎮の核心的部分には、ちゃんと古鎮らしい風情が残っています。しかし「ここまでやるか!」的再開発で古鎮をテーマパーク化し、見る、游ぶ、食べるを充実させるのが、今どきの成都周辺の古鎮のありかたなんでしょうね。

ルーレットが指した絵のべっ甲飴を作ってくれる屋台 ルーレットが指した絵のべっ甲飴を作ってくれる屋台