成都周辺に集中している古鎮

よく似た観光地が集まっているから、どこか一か所は行きたい。でも、その一か所がなかなか決められない。これは中国西南部の四川省成都を訪れる旅行者の悩みのひとつです。日本人にとって成都と言えば、担担麺、麻婆豆腐、三国志、そしてパンダ! 成都は、日本人旅行者に人気の都市です。市内の観光地で外せない場所と言えば、三国志の聖地で知られる武候祠、赤ちゃんパンダが見られる成都パンダ繁殖研究基地など。問題は、郊外の観光です。日帰りで人気の古鎮に行く人が多いのですが、成都周辺に古鎮が集まっているので、どこにするか迷ってしまいます。黄龍渓、安仁、街子、洛帯は、どれも日帰りオッケーの距離にあり、しかもどこも有名なのです。

ちゃんと本当に古い部分も残っているが、新しく作った部分には、やりすぎ感が漂う黄龍渓。成都旅游バスセンターから黄龍渓行きバスで終点 ちゃんと本当に古い部分も残っているが、新しく作った部分には、やりすぎ感が漂う黄龍渓。成都旅游バスセンターから黄龍渓行きバスで終点

黄龍渓 VS  安仁

黄龍渓は成都の南約42キロに位置する古鎮です。香港や中国映画のロケ地としても知られ、2000年頃から日本のガイドブックでも紹介されているため、知名度は抜群! ただ、再開発で規模を広げ、中心部に川を作るなど、古鎮テーマパーク化した感があります。成都の南西約70キロに位置する安仁古鎮は、2010年頃からガイドブックに載っており、ただいま売り出し中。1800年近い歴史がある黄龍渓と比べると、安仁は約1400年。古さでは負けています。しかし、民国時代に隆盛を極めた劉氏や政府高官の邸宅が数多く残っており、民間の博物館などもあるので、見どころの数は、十分です。

古鎮の楽しみの一つは、名物を食べること! 名物が充実しているのは、街子と安仁! 安仁古鎮へは、茶店子バスターミナルから安仁古鎮行きで終点下車 古鎮の楽しみの一つは、名物を食べること! 名物が充実しているのは、街子と安仁! 安仁古鎮へは、茶店子バスターミナルから安仁古鎮行きで終点下車

街子 VS 洛帯

街子は、日本では、まだまだマイナーですが、「2010四川最美古鎮(四川で最も美しい古鎮)」に選ばれた古鎮です。成都から西に約57キロの崇州市にあります。2008年の四川ブン(さんずいに文)川大地震で大きな被害を受け、その後の再開発で街並みが変ってしまいました。本物の古鎮の外側に古鎮に似せた建物を作った感じです。洛帯は、市内の龍泉驛区にあり、中心部から一番近い古鎮です。蜀の皇帝である劉備の息子の阿斗がベルトをこの地の井戸に落としたと言う伝説が残っています。それで「落帯」と呼ばれるようになったそうです。また、洛帯は、南方からやってきた客家が多い村です。同郷の商人の商品の集積地であり、宿泊施設にもなった会館も多いので、「客家の名鎮、会館の里」とも言われています。

四川の古鎮の典型的な町並。写真は、街子古鎮。街子へは、茶店子バスターミナルから街子行きで終点 四川の古鎮の典型的な町並。写真は、街子古鎮。街子へは、茶店子バスターミナルから街子行きで終点

共通点も多い古鎮だから、ますます決められない!

黄龍渓と街子は、本物の古鎮の部分の建物が、似ています。どちらも古びて傾いた木造家屋に小ぶりの黒い屋根瓦の店舗が並んでいます。安仁は、民国時代に最盛期を迎えた新しい古鎮です。中国では、比較的自由な時代だったと言われる民国時代の影響を受けた、どことなく洋風の建物が並んでいます。洛帯は、会館が多く、商業で栄えた村です。ひときわ豪華な広東会館は、凸型になった防火壁が珍しい形なので、これだけを見に洛帯にやってきてもいいぐらいです。私なら一か所だけと言われたら、テーマパーク化も保存状態もほどよい洛帯を選ぶかもしれません。成都からの日帰りオッケーの古鎮旅行、あなたならどこに行きたいですか?

洛帯古鎮。右手に見える大きな防火壁の建物が広東会館。成都の五桂橋バス―ターミナルから219路バスで洛帯下車 洛帯古鎮。右手に見える大きな防火壁の建物が広東会館。成都の五桂橋バス―ターミナルから219路バスで洛帯下車