ひとり飯のお助け料理「冒菜」!

私の1年間の四川省成都留学時代、私の食生活を支えてくれたのは、「冒菜(マオツァイ)」です。ひとり飯の時、冒菜がなかったら、いろいろな野菜を美味しく食べられませんでした。その上、値段も経済的なのです。冒菜に感謝! 今でも成都や重慶に住む日本人留学生で、辛いものがオッケーな人なら、冒菜のお世話にならない人はいないのでは? 冒菜とは、唐辛子、八角、花椒などがたっぷり入った激辛スープで野菜や豆腐類を煮た激辛おでんのことです。もしくは、一人用火鍋とも言えます。四川発祥の冒菜ですが、火鍋好きの中国人の好みにあったのか、今では中国全土で食べられる人気料理になっています。

本場四川の冒菜。これで10元(約180円)。四川では、ごはんと一緒に食べる人が多い 本場四川の冒菜。これで10元(約180円)。四川では、ごはんと一緒に食べる人が多い

名前を見てもどんな料理かイメージできない冒菜

冒菜ですが、たった二文字の料理名です。しかも麻婆豆腐、回鍋肉、青椒肉絲のように、どんな料理なのか、イメージできるような漢字が入っていません。冒菜を食べたことがない人が、冒菜の字を見ても、どんな料理かわかる人は、ほとんどいないのでは? 私も初めて冒菜の二文字を見たときは、全く謎の料理でした。中国語で「冒」には、汗や湯気が噴き出る、(危険や困難にあえて)向かっていくと言う意味があります。「汗が出るってことは、辛い料理なんだろう」と想像することはできましたが、それ以上は無理。最近、「冒」には、他の意味があることがわかりました。

東北地方の吉林省長春で食べた冒菜。東北では、冒菜に砂糖を入れるのが普通。辛さの中に甘みがある冒菜は、私にはいまいち 東北地方の吉林省長春で食べた冒菜。東北では、冒菜に砂糖を入れるのが普通。辛さの中に甘みがある冒菜は、私にはいまいち

四川方言の「冒」の意味とは?

冒菜は、三国時代起源説などがあるそうですが、実際のところは、四川発祥と言うことしかわかっていない料理です。四川発祥の料理なので、「冒」の意味を四川人の友人に聞いてみました。四川方言では、冒は「浮き上がる」と言う意味があるようです。激辛スープに入れた野菜、豆腐、肉などの具がよく煮えると、浮き上がって来ます。「冒菜とは、浮き上がってくるまで具をよく煮込んだ料理」と言う意味だと四川人の友人は、解釈しています。また、具を煮る真っ赤なスープには、唐辛子やナツメ、桂皮などのスパイスが常にぷかぷか浮き上がっているので、これも関係あるのではないかしら?

冒菜を煮るスープ。とにかく真っ赤なスープが冒菜の食堂の目印 冒菜を煮るスープ。とにかく真っ赤なスープが冒菜の食堂の目印

冒菜の食堂には、2種類あり!

冒の意味からすると、冒菜は、汗が吹きでるほど辛く、具が浮かびあがってくるまでしっかり煮た料理と言うことになります。さて、冒菜の食堂と言えば、2種類あります。串に刺した野菜やユバなどの具を選び、串の数で料金が決まるところ。もう1種類は、棚に並んだ野菜や春雨類をボウルに入れ、重さで料金が決まるところです。どちらの食堂でも肉類は、野菜、豆腐、春雨類とは別の料金体系になっています。四川や重慶では冒菜の食堂は、よく言えば庶民的、悪く言えば見た目が汚いところがほとんどでした。最近は、ファーストフード店のような雰囲気のお店が増え、外国人旅行者にも入りやすくなってきました。中国で「冒菜」の二文字を見つけたら、食べてみませんか! 辛い料理が好きな人なら、汗が吹きでるほど辛い冒菜にはまること間違いなし!

北京の冒菜。北京ッ子の好みにあわせて、たっぷりの芝麻醤が入っている 北京の冒菜。北京ッ子の好みにあわせて、たっぷりの芝麻醤が入っている