四川省で一番安くて美味い郷土料理

「まさかこんなところで、これほどまでに美味いタレに出会うとは!」。タレは、私が大好きな「豆花飯(トウホアファン)」と呼ばれる豆腐飯のタレです。豆花飯は、中国西南部の四川省の中でも東部にある自貢市富順県の名物ですが、四川省東部や重慶市一帯に広まっている激ウマ飯です。その理由は、お碗に山盛り入った豆腐とごはん、そして辣油ベースのタレだけのシンプルなごはんで、とにかく安くて美味いことにつきます。四川で一番経済的で美味いごはんと言えば、豆花飯だと言いきってもいいぐらい。

四川省東部、重慶市、雲南省の一部に広まっている豆花飯。これで8元(約144円) 四川省東部、重慶市、雲南省の一部に広まっている豆花飯。これで8元(約144円)

富順県で初めて食べた豆花飯

私が豆花飯にはまったきっかけは、2012年。富順県出身の中国人の友人の実家を訪ねたついでに一番有名な「李二豆花」で豆花飯を食べたのが始まりです。この時まで私は、豆花飯なんて料理があることすら知りませんでした。ほわっと温かい豆腐は、日本の木綿豆腐よりも生地が粗く軟らかい。崩れないようにそっとお箸ですくって、辣油につけ、ごはんにのっけて食べます。これだけで感動もののおいしさです。その後、どこに行っても豆花飯を見つけるたびに食べるようになりました。

豆花飯のタレは、だいたいどこもこんな感じ 豆花飯のタレは、だいたいどこもこんな感じ

珍しい楽山市羅城古城で食べた豆花飯とは?

豆花飯は、ふわっと軟らかい豆腐と辣油だけの簡単ごはんですが、どこで食べても豆腐やタレに微妙な違いがあります。中でも変わっていたのは、四川省中部の楽山市羅城古城で食べた花生醤豆花です。灰色をした花生の汁の中に入った豆花でした。特に花生(ピーナッツ)の味はしなかったものの、まろやかで美味しかったです。ハズレがない料理だけに、これが一番と言えるほどの豆花飯には出会っていませんでした。まさか重慶市江津区でも中心部から約1時間30分も離れた白沙鎮で最高に美味い豆腐のタレに出会うとは思ってもみませんでした。

楽山市羅城の花生醤豆花飯。見た目は悪いが、美味しい 楽山市羅城の花生醤豆花飯。見た目は悪いが、美味しい

今まで食べた中で最も複雑なタレ

重慶市江津区の白沙鎮は、塩を始めとする様々な物資の運搬業で栄えた古い町です。この白沙鎮の旧市街で、小さいけれど人気の食堂で感動的に美味いタレに出会いました。食堂の名前は「特色香辣牛肉麺」と言います。牛肉麺が看板料理のはずですが、お客はみんな豆花飯を食べていました。ここのタレは、とにかく具が豊富。数種類の豆鼓、2種類の漬物、にんにくペースト、塩、花椒などなど。土地ごとに好みの味付けがあるはずですが、前日に白沙のバスターミナルの側で豆花飯を食べた時のタレとは全く違っていました。この複雑なタレは、この食堂のオリジナルです。まさかこんな田舎町で運命のタレに出会ってしまうとは! がんばればまた、行けない場所ではないですが、遠い。でも食べに行きたい!

白沙鎮の「特色香辣牛肉麺」で食べた豆花飯のタレ。見た目は、マイルドに見えるが、けっこう辛い 白沙鎮の「特色香辣牛肉麺」で食べた豆花飯のタレ。見た目は、マイルドに見えるが、けっこう辛い