重慶から行く、大都会と古い小さな町の両方を楽しむ日帰り旅行

中国の西南部に位置する重慶は、1997年に直轄市となり大きな発展を遂げた内陸部最大の都市です。重慶と言えば、美しい夜景と長江にかかる「長江索道(ロープウエイ)」に乗り、都会の風景を楽しむのが人気です。重慶が大都会だからこそ、滞在中に日帰りで小さな古い町に行ってみませんか? 両極端な世界を欲張りに楽しめて、のどかな古い町では気分もリラックス! おすすめは重慶市のロン(くさかんむりの下に栄)昌区にある「路孔古鎮(ルーコングーチェン)」です。中国通の人なら「古鎮はあたりはずれが大きい」と思うかもしれません。大都市に近い古鎮は、商業化と再開発が進みすぎて、古鎮テーマパークのようになっているところも多いので。でも、路孔古鎮はまだ、大丈夫!

路孔古鎮は、世界遺産の「大足石刻」からわずか15キロの距離のところにある。はしごできるが公共の交通機関で行くとなると日帰りで重慶は時間的に難しい。大足、ロン昌ともに重慶に戻る最終バスは午後6時 路孔古鎮は、世界遺産の「大足石刻」からわずか15キロの距離のところにある。はしごできるが公共の交通機関で行くとなると日帰りで重慶は時間的に難しい。大足、ロン昌ともに重慶に戻る最終バスは午後6時

路孔古鎮ではなくて万霊古鎮? いったいどんな場所?

路孔古鎮は、重慶からバスで西に約2時間のところにあります。ロン昌バスターミナルから「万霊」行きのバスに乗りかえ、約20分で到着です。最近は路孔古鎮ではなく、万霊古鎮と呼ぶほうが多いそうです。万霊古鎮は、西南は瀬渓河に面し、東北は丘陵によった美しい地形です。水運と物資の集積地として南宋の時代から栄えてきました。幹線道路沿いの恒開門から古鎮の中に入ると、そこは明清代に建てられた木造建築が残っているといわれる商店街です。外壁の白壁に梁が見えるのが四川省や重慶市の伝統家屋のスタイルです。万霊古鎮にも同じタイプの民家が並んでいるのですが、なんとなく違うものを感じるのはここが移民村だからでしょうか。

明清代の民居が残る商店街は全長502メートル 明清代の民居が残る商店街は全長502メートル

万霊古鎮に湖南や広東省の人が集う「湖広会館」がある理由

明代末期から清朝成立時にかけて、この地は戦禍に巻き込まれ、人口が大きく減少しました。清朝政府は移民政策をとり、比較的近い四川、貴州、湖南、広東省から積極的に移民を受け入れました。今も明清代の民居が残るメインストリート沿いには、湖南と広東省からやって来た移民のよりどころとなった湖広会館が残っています。中庭が大きく、中庭に面した立派な舞台があるお屋敷で、故郷を同じくする人たちが集った様子が目に浮かぶようなところです。他の四川や重慶の古鎮とどことなく建物の雰囲気が異なる気がするのは、移民村なので、かつていた地方の建築様式がどこかに残っているのかもしれません。メインストリートから「煙雨巷」という赴きがある名前の路地に入り、楼閣を抜けるとそこは埠頭です。

名物の「鋪蓋麺(プーガイミェン)」。「鋪蓋」とはふとんのこと。四角く伸ばした麺が何枚も入っているのでこの名がついた。四川省一帯で食べられているが、スープが辛くないのはここだけ 名物の「鋪蓋麺(プーガイミェン)」。「鋪蓋」とはふとんのこと。四角く伸ばした麺が何枚も入っているのでこの名がついた。四川省一帯で食べられているが、スープが辛くないのはここだけ

どこにでもあるようで珍しい万霊古鎮の石橋

埠頭にかかった角ばった石の橋が「大ロン(くさかんむりの下に栄)橋」です。明代正徳(1506〜1521)年間に建てられた石橋は、そっけない造りです。四川省の有名古鎮と比べると相当珍しい。四川省の有名古鎮の橋には、もともとあったかどうかは不明の新しく見える楼閣がついているところが多いのです。大ロン橋ほど、飾り気のない橋は珍しく、なんだかうれしくなってきました。煙雨巷の楼閣も古びるにまかせ、村びとの洗濯物干場になっています。久しぶりにひなびた風情の古鎮を楽しみました。ちょっとした穴場古鎮です。ただ、現在、隣接した場所に万霊古鎮の数倍もある古そうに見える村を建設中です。万霊古鎮のひなびた様子を楽しめるのも今のうちかもしれません。重慶から日帰り旅行に行くならおすすめですよ!

全長116メートルの大ロン橋 全長116メートルの大ロン橋