重慶で人気の観光地に見られる共通点とは?

香港と見間違えるほど、立ち並ぶ高層ビル群を前に茫然。このビル群ができる前は、いったいどんな風景が広がっていたのでしょうか。中国西南部に位置する重慶の高層ビルを見るたびに、かつてもっと地面に近いところにあった庶民の暮らしを知りたくなります。外国人旅行者ですら、ちょっと昔の重慶に目が向くのですから、中国人なら尚更です。今、重慶を訪れる旅行者に人気の観光スポットと言えば、「十八梯(シーバティ)」と「山城歩道(サンチョンプーダオ)」です。どちらも「老重慶(ラオチョンチン)」と言われるちょっと昔の重慶の町並みが残っているところです。

下浩老街一帯で見られる「老重慶」的な風景 下浩老街一帯で見られる「老重慶」的な風景

十八梯と山城歩道に行ってみよう!

重慶は、別名「山城」と呼ばれるほど、平地が少ないところです。市内中心部の渝中区を歩きまわると、坂と石段ばかりで、足が棒になりそう。十八梯や山城歩道を訪れると、低層家屋の玄関横に流し台がある、ちょっと昔の風景が広がっています。ノスタルジックな風景が中国の若者に受け、人気のデートスポットになっています。周辺が全て取り壊され、中心部のみの保存が決まった十八梯には、全く人は住んでいません。山城歩道のほうは、2016年末頃までは、住人が生活していたのですが、2017年3月になると、立ち退きがほぼ完了し、こちらも現在はほとんど住人がいません。山城歩道は、十八梯と違い、今もそこに住む人々の生活が垣間見られただけに残念です。

下浩老街に残る永興洋行の高級社員アパート跡。1階がギャラリーになっている 下浩老街に残る永興洋行の高級社員アパート跡。1階がギャラリーになっている

かつて重慶で一番栄えたと言われている「下浩老街」

2017年3月現在、もう1か所、老重慶の風景が残っている人気スポットがあります。それが「下浩老街(シャーハオラオジエ)」と呼ばれる地区です。再開発の網の目を逃れ、ぎりぎり残ったような下浩老街も十八梯や山城歩道と同じく、市内中心部にあります。下浩老街は、長江にかかる東水門大橋の南側にある通りです。このあたりは、南岸区と呼ばれ、長江に面しているため、貿易港もありました。重慶で最も早く欧米人が入ってきた地区であり、税関、領事館、欧米列強の商社などの洋館が立ち並ぶ、重慶で最も栄えたと言われているところです。下浩老街にもフランスの「永興洋行」の上級職員が住んだ洋館が残っています。

東水門大橋の南のたもとをまっすぐモノレール6号線の「上新街」駅方向に進むと、左手に路地の入り口がある。下浩老街へは、ここから入るのが便利 東水門大橋の南のたもとをまっすぐモノレール6号線の「上新街」駅方向に進むと、左手に路地の入り口がある。下浩老街へは、ここから入るのが便利

老重慶が見られるところは、できるだけ早く行こう!

2017年3月、下浩老街周辺は、壁に柱がむき出しになった伝統家屋が残っていますが、住人が立ち退いてしまい、廃墟になっているところもあります。それでも永興洋行のような洋館と木造の伝統家屋がいり混じった通りは、混沌とした老重慶そのものです。老重慶を撮りに来る写真撮影好きや若者に人気のスポットでもあるので、カフェや食堂もできています。壁の落書きもおしゃれで、ちょっと芸術的な雰囲気も漂うおもしろいところになっています。既に、一部分の再開発が決まっており、今後、大きく風景が変わることは間違いありません。重慶に行くなら、下浩老街もお忘れなく。今が最後のいい時ですよ。

伝統家屋の壁の落書き(?)もアート! ここが十八梯や山城歩道とは違うところ 伝統家屋の壁の落書き(?)もアート! ここが十八梯や山城歩道とは違うところ