重慶市江津区は、古鎮の宝庫!

中国の西南部に位置する直轄市、重慶と言えば、高層ビルが立ち並ぶ現代的な都市です。重慶市の中心部である渝中区を出ると、古鎮と呼ばれる古い町があちこちに残っています。重慶市には、世界遺産の大足石窟がある大足区、三峡下りで知られる万州区など、いくつかの区があります。中でも江津区は、面積はそう広くはないものの古鎮の宝庫のようなところです。最も有名なのは、中山古鎮ですが、その他にも風情がある古鎮がいくつもあります。そのほとんどが長江沿いにあり、水運業で栄えました。何でも運びましたが、代表的なものは四川省自貢で生産された塩です。江津は、四川産の塩の輸送ルートである「川塩古道」上にある交通の要所でした。

塘河古鎮のメインストリート。塘河古鎮は、江津バスターミナルからもあるが、白沙から行くほうが便利。江津から白沙行きのバスは10分に1本。白沙から塘河は、1時間に1本ぐらい 塘河古鎮のメインストリート。塘河古鎮は、江津バスターミナルからもあるが、白沙から行くほうが便利。江津から白沙行きのバスは10分に1本。白沙から塘河は、1時間に1本ぐらい

ドラマのロケ地としても知られる塘河古鎮

私が江津で訪れたのは、塘河古鎮と石蟆鎮です。塘河古鎮は、抗日ドラマのロケ地になるほど古い町並みの保存状態が良いところです。明清代の木造家屋が数多く残っています。江津バスターミナルから約40分で到着する白沙古鎮からミニバスでさらに約30分奥まったところに塘河古鎮があります。ひなだんのような石段がある通りが古鎮のメインストリートです。石段沿いには、水運業で栄えた民国時代に建てられた洋館に加え、清代の古民居も残っています。ドラマのロケに使われたところには、撮影の様子のパネルが貼られています。ただ、現在は誰も住んでいない家が多く、生活感がないせいか、ロケ地と言おうかセットっぽいのが残念でした。

塘河古鎮の清源宮。 塘河古鎮の清源宮。

二つの「清源宮」を見に行こう!

塘河古鎮のメインストリート沿いには、「清源宮」があります。清代の光緒13(1887)年に建てられたもので、「川主」と呼ばれる四川の川の神様を祀っています。中央には四川省の古鎮ではよく見られる、立派な舞台があります。かつては、ここが古鎮の娯楽の中心であったことがわかります。塘河古鎮からミニバスで約45分ほど離れた石蟆古鎮にも「清源宮」があります。どうしてもこの清源宮が見たくて、石蟆古鎮に足を延ばしました。石蟆の清源宮は、朱色の門に石の彫刻がほどこされたかなり立派なものです。明代の正徳5(1510)年に建設されました。中国の戦国時代であった紀元前256〜251年に、治水に功績があった蜀の太守、李冰を川主として祀っています。

石蟆古鎮の清源宮。木彫、石彫ともに保存状態が良く、見る価値あり! 石蟆古鎮の清源宮。木彫、石彫ともに保存状態が良く、見る価値あり!

おすすめ! 石蟆古鎮の清源宮

石蟆古鎮の清源宮は、昼間でも地元住人の憩いの場になっています。長江沿いに町に伝わっている「長牌」と呼ばれるカードゲームをする中高年の男性が集まっていました。水運業だけでなく、農業も盛んだった石蟆古鎮は糧食にも恵まれた豊かな村だったようです。そのせいか清原宮の装飾が凝っていて、すばらしい。多くの彫刻の首が文革期に削られており、首なしになっていましたが、それでも残った部分からどれだけレベルが高いものだったかがわかります。石蟆古鎮と塘河古鎮は、どちらもこじんまりした古鎮です。江津区から行く場合、一か所だけだと物足りません。二か所回って、ちょうどいいぐらいです。江津にお宿をとって、のんびり川塩古道上の古鎮を訪ねてみませんか!

石蟆古鎮の清源宮。舞台の下で地元の中高年が、「長牌」と呼ばれる長江流域に広まっているカードゲームをしていた 石蟆古鎮の清源宮。舞台の下で地元の中高年が、「長牌」と呼ばれる長江流域に広まっているカードゲームをしていた