方面別に駅が分かれている中国の鉄道

中国の大都市に行くと、駅が方面別に分かれているところがあります。いや、あるどころか、今や大都市の駅ではそれが普通かもしれません。例えば北京は、北京駅、北京南駅、北京北駅、北京西駅と4つもあります。駅名が異なるので、間違える人は少ないかと思いますが、間違えると大変。駅と駅の間は、どれも地下鉄でだいたい30分は離れています。四川省の成都も成都駅と成都南駅、成都東駅があります。駅名が異なる場合は、ちょっと注意すれば大丈夫。問題は、駅名は同じなのに場所が違う駅です。「そんな複雑な駅があるの?」と思う人がいるかもしれませんが、重慶にあるのです。

重慶北駅南広場。大きく南広場と表示があるのには、やはり理由があった 重慶北駅南広場。大きく南広場と表示があるのには、やはり理由があった

中国で旅行者を悩ませる駅

中国西南部に位置する重慶は、中国最大の直轄市です。中心部の渝中区には、重慶北駅と重慶南駅があります。重慶南駅は、特に問題なし。旅行者を思いっきり悩ませているのは、重慶北駅です。重慶北駅南広場と重慶北駅北広場があります。ただし駅名は、重慶北駅なので、切符の表示も重慶北駅です。2018年5月下旬、中国のニュースサイト「今日頭条」で「中国で最も旅行者を悩ませる駅。同じ場所、同じ名前なのに、二つに分かれている駅」と言う記事で重慶北駅が紹介されていました。「同じ場所」と言っても、実際は南広場と北広場は、2キロ以上離れています。でも、駅名は同じ重慶北駅なのです。おかげで私も死ぬ思いをしました。

駅名は、成都だが、実際には「成都北駅」のこと。タクシーなどで成都駅に行きたい時は、「成都北駅」と言わなくてはいけない。中国の駅名事情は、場所によって違うので、間違えそうになる 駅名は、成都だが、実際には「成都北駅」のこと。タクシーなどで成都駅に行きたい時は、「成都北駅」と言わなくてはいけない。中国の駅名事情は、場所によって違うので、間違えそうになる

重慶北駅で遭遇した二度としたくない体験

私の場合、重慶北駅の改札で「この切符は、この駅ではない」と言われて、初めてわかりました。慌てて切符をじーっと見ると、右上に小さく「北広場」の3文字が! 一瞬、頭が真っ白。しかもその時は、いつになくぎりぎりでした。私が乗るのは、列車番号がDから始まる高速鉄道です。在来線が発着する重慶北駅南広場ではなく、高速鉄道専用の重慶北駅北広場に行かなくてはダメだったのです。重慶北駅南広場前から北広場には、路線バスもありますが、発車時刻が迫っています。血相を変えて南広場を飛び出し、目の前のタクシーに飛び乗りました。中国は、国内でも鉄道に乗る前に荷物検査やパスポートチェックなど、最低2回の検査があるので時間がかかります。この日は、列車に飛び乗る瞬間までヒヤヒヤでした。

右上に小さく「検票口(改札):北広場」との表示あり。列車に乗る前に、この部分を要チェック! 右上に小さく「検票口(改札):北広場」との表示あり。列車に乗る前に、この部分を要チェック!

在来線と異なる駅を使う中国の高速鉄道

重慶北駅のケースは、中国でも珍しいどころかここだけです。今、中国では、在来線が少なくなり、急速に高速鉄道化が進んでいます。中国の高速鉄道は、在来線とは異なる駅を使うところがほとんどです。高速鉄道用の新駅は、市内中心部から20、30分離れていますが、日本人には考えられないほど離れている駅もあります。広東省の肇慶は、「端渓の硯」で知られており、日本人の書家が名産の硯を買うためにやってくるようなところです。肇慶中心部から30キロも離れた田んぼの中に高速鉄道専用の肇慶東駅があり、中心部には、在来線用の肇慶駅があります。中国では鉄道を利用する時、切符の駅名は、厳重チェック! 重慶北駅から列車に乗る時は、いつにもまして厳重チェック! 南広場か北広場かは、絶対に確認しましょう!

肇慶東駅から市内中心部までは、路線バスで約1時間。私が乗った高速鉄道の路線では、最も市内中心部から遠い駅 肇慶東駅から市内中心部までは、路線バスで約1時間。私が乗った高速鉄道の路線では、最も市内中心部から遠い駅