自分の中のベスト砂漠は

砂漠というと、ほんどの人はサラサラとした砂だけの大きな砂丘を思い浮かべるのではないでしょうか。私も昔はそうでした。しかし世界中あちこち回っていろいろな砂漠を見てきましたが、そのイメージ通りの「これぞ砂漠!」というのは、人生において一番初めに見た砂漠でした。それが中国の敦煌にある鳴沙山です。

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意外に少ない砂漠の中の砂丘

世界にある砂漠のほとんどは砂ではなく、石や土からなる「岩石砂漠」や「土漠」です。植物がほとんど生えない乾燥地帯ということは共通していますが、表面が砂になっているとは限りません。だからなかなか旅をしていても、写真で見るようなすばらしい砂丘に出会うことは少ないのです。初めて敦煌に行ったとき、私は中国を西安から陸路、西へ西へと進んでいました。かつてのシルクロードの道です。途中、砂漠化した乾燥地帯は何度か通りましたが、砂丘ではありませんでした。

自転車で砂丘へ向かう

夕方、敦煌の町で自転車を借りて、地図にある砂丘の鳴沙山のほうへとこいで行きました。日陰などない砂丘なので、暑い時期の日中は訪れる人はいません。それに砂丘に影が生まれ、赤く染まるのは夕方だろうと思ったのです。道路の突き当たりに、いくつも連なる巨大な砂丘が見えてきた時、その大きさに何だかすごい所に来てしまったと感じました。砂丘は観光地なので、着いてみれば多くの観光客がいました。団体客はラクダに乗って入口から砂丘まで移動しています。私はひとりで砂丘の麓まで歩いて行きました。

夕陽に染まる砂丘を眺める

砂丘の上まで階段が続いています。が、それは有料でした。なんとなく階段を使って上るのがしゃくだったので、何もないところからこの砂の山を上ることにしました。しかし足を入れると砂は柔らかく、そこからどんどん崩れ出して行きます。たかだか100mぐらいのこの砂の山に上るのに、けっこうなエネルギーがかかりました。やっと砂丘の頂上に出ました。遥か遠くまで、似たような砂丘が延々と続いているのが見える絶景です。一番上の尾根の部分は、固くなっていたので移動は楽。空はすでにオレンジ色に染まり、眺めのいい所に座って、日没を待ちます。そして砂の海の向こうに沈んでいく太陽を、そのままずっと眺めていました。その後も旅は続きましたが、これ以上の砂丘に出会うことはありませんでした。ということで、ベストな砂丘、奥地よりも行きやすい観光地の敦煌にあるというのが、意外でした。