広州の古くて小さいけれど、お客でいっぱいの汁ビーフンのお店

中国南部の広東省、広州市に私が通っている米粉(ビーフン)と麺の食堂があります。古くて小さなお店です。この食堂の牛肉だんご入りの汁米粉が感動的においしい。屋台に毛が生えたようなお店の割に値段は高めですが、広州に行くと食べずにはいられません。お店には番地の表示があるだけなので、お店の名前は謎です。丸テーブルがたった二つの店内はいつも満席で、店の外の長椅子をテーブルがわりにして食べます。小さなお碗に入った牛肉だんご入り米粉が1杯10元(約170円)です。

中国の南方と北方で、こんなに差がある食に対する考え方 中国の南方と北方で、こんなに差がある食に対する考え方

おいしければ、強気の値段設定がオッケー!

「小さいお碗の汁米粉が1杯10元だなんて、かなり強気の値段だな」と思います。広州市内に支店が何軒もある小奇麗な店でも、小さい碗の汁米粉やラーメンなら9元か10元です。古くて小さな食堂なのに、同じかそれ以上の値段をとるなんて、中国の北方では、あり得ません。中国の北方とは、揚子江より北側か、陝西省の古都、西安の南部を走る秦嶺山脈の北側をさします。北方の中国人は南方の中国人と食に対する考え方が全く違います。

中国の北方人が味より重視するもの

北方の中国人は「味よりも清潔な店」を重視します。だから日本人には、特においしそうに見えないファーストフード店のような外観の店が流行っています。ファーストフード店のようなお店は、明るく清潔に見えるからです。逆に古くて小さな食堂は、不衛生に見えるので人気がありません。食の安全面、衛生面重視とも言えます。北京の西にある山西省大同は刀削麺がおいしいことで知られています。刀削麺はかための生地を刀で削りおとす麺です。大同で一番おいしいと評判の「東方削麺」に行ってみました。マクドナルドのような外観で、この町でナンバー1のオーラはゼロでした。実際に食べてみて、初めて店の外観で判断してはいけないことがわかりました。

南方人が一番重視しているものは?

南方の広東人は「私たちはおいしい店なら、どんなにボロくても、車を運転してでも食べに行くわ」と言います。食に対する考え方が北方人より貪欲と言おうか、味重視です。外国人の私に対して、大げさにかっこいいことを言ったわけじゃなくて、本当です。古い街並みが残っている広州市茘湾区には老舗のおいしいお店が集まっています。ここに行くと、外観も使っている道具も古ぼけた小さなお店なのに、ひっきりなしにお客がやってくる人気店が少なくありません。さすが、「食は広州にあり!」です。中国の南北の食に対する考え方の違いを知っていると、おいしい店探しのヒントになりますよ!