イケメン揃いではありませんが、男性スタッフだけのおいしい店

広東省広州の中心部、騎楼と呼ばれる伝統建築が並ぶ通りに、そのスープのお店はあります。屋台と言ってもいいほど小さなお店です。しかし、ここは広州では誰もが知っている絶品スープのお店です。このお店が有名なのは、スープだけではありません。なぜかスタッフが全員若い男性だけなんです。女性客を獲得するために、イケメンをそろえているような軽薄な店じゃありません。古ぼけた店ですが、常に店の前に行列ができています。味だけで十分、勝負できますが、こだわりがあって、男性スタッフだけにしているという珍しいお店です。

イケメンばかりとは言えませんが、男性スタッフだけの絶品スープの店 イケメンばかりとは言えませんが、男性スタッフだけの絶品スープの店

広東人が好きな食べ物って、何?

越秀区の文明路160号にある、このお店は「達楊原味炖品(ダーヤンユエンウェイトゥンピン)」と言います。「炖品」とは蒸したスープや蒸したごはんのことです。広東人は、この炖品が大好きです。炖品を食べることが、習慣になっているように見えます。それも食事というよりも、体にいいものを積極に取り入れるという考え方を常に実践しているような感じです。直径80センチぐらいはある巨大なせいろの中に、小さな陶器の器が並んでいます。じっくり蒸すことによって、食材のうまみが濃縮されたようなスープがこの小さな器に入っています。

絶品スープに感動!

私が選んだのは「枸杞炖本地鶏」です。美容にも眼にもいいと言われるクコの実、地鶏、タケノコが入っています。れんげで一口、スープを飲んでみて、思わず「すごい…」。そこから先の言葉がなくなりました。今まで食べたこともないような深い味わい。こんな古ぼけた小さな店で、ここまで上品な味を出せるなんて!時間をかけて蒸したタケノコは、ホクホクとした芋のような食感に変わり、地鶏も骨から肉がホロリと簡単にはずれるほどやわらかい。たった11元(約220円)の味じゃないと驚愕でした。

どんどん裏返っていく札に、思わずドキドキ!

柱には、炖品の札がかかっています。これがメニューがわりにもなっていて、売り切れると札が裏返されます。私は午後1時頃に行ったのですが、10数人の列ができていました。人気の炖品はどんどん札が裏返っていくので、焦ってしまいました。男性スタッフは愛想が良いというわけでもなく、ただ、黙々とお客をさばいていきます。「食は広州にあり」で名高い広州ですが、「達楊原味炖品」のスープは正真正銘の絶品です。私は次回、広州に行ったら、魚の頭のスープ「炖魚頭」を食べるともう、心に決めています。