久しぶりに通っていた麺館に行くと、驚くほどの行列が!

今から約5年前、2012年の秋、広州に行くと必ず行くことにしている麺館に行くと、「あれっ、久しぶりの広州だから店を間違えたかな?」と思ってしまうほどの行列ができていました。でも、やはりここです。今まで1回も行列なんてあったことがないのに。もともとご近所さんしかやって来ないような目立たない麺館です。麺館というのは、麺の専門食堂のことです。私は、ここの黄味がかった極細麺が大好き。極細なのにしっかりしたコシがあって、本当においしい。決して大きくはない麺館の前にずらーっとすごい列。こんな人気店じゃなかったのに、いったいどうして?

「竹園竹升麺」の牛ナン(月へんに南)麺。やや甘く煮た牛バラ肉のっけ麺は、広東では人気の麺 「竹園竹升麺」の牛ナン(月へんに南)麺。やや甘く煮た牛バラ肉のっけ麺は、広東では人気の麺

近所の人しかやって来ないお店が急に人気店になった理由

その後、急に人気店になった理由が判明。2012年に放送が始まった中央電視台の食のドキュメンタリー番組「舌尖上的中国(第1部第2集)」で紹介されたのです。爆発的に流行った番組なので、一気に人気に火がついたと言うわけです。私は、「舌尖上的中国(第1部第2集)」を中国の動画サイトで見ました。あの麺館が映っても「私が行く店に似ている」ぐらいにしか思ってませんでした。自分が通っている麺館の名前も知らなかったのです。いつもパンを買うお店の近所にある、おいしい麺館みたいな覚え方だったので。まさか、あの麺館が、あの番組に紹介されるなんて!

広東名物の「竹升麺」とは?

その麺館は、「竹園竹升麺」と言います。「竹升麺(ジューションミェン)」とは、広東省の伝統的な麺の一つですが、中華民国時代に生まれた比較的新しい麺です。太い竹竿で麺生地を打つのですが、広東語では「竿」の発音が不吉なので「竹升麺」と呼ぶようになったそうです。麺生地をテーブルの上におき、生地の上に竹竿を載せます。竹竿の端はクッションに載せています。もう片方の端は、テーブルの上からはみ出ています。このはみ出た部分に太ももを載せ、麺生地を押します。全体重をかけつつも軽快に竹竿を押します。少しずつ竹竿の位置をずらしながら、生地全体を打つこと約1時間から2時間。これでコシがある生地の出来上がり!

竹園竹升麺(広州市茘湾区和平西路8号)の雲呑麺 竹園竹升麺(広州市茘湾区和平西路8号)の雲呑麺

超人気番組に出ることは、いいこと? それとも良くないこと?

竹升麺は、卵入りの黄色い麺ですが、「鴨蛋(ヤータン)」と呼ばれる鴨の卵を使うのが特徴です。濃い味の麺なので、ワンタン麺にしてあっさり食べても美味しい。やや甘く煮込んだ豚の腸をかけた混ぜ麺にしても美味しい。どう食べても美味しい麺です。ああ、食べに行きたい。あの超人気ドキュメンタリー番組のおかげで私は、竹園竹升麺に行けなくなりました。「私の舌もたいしたもんだ!」なんていい気分になったのは、ほんの一瞬。並ばずに入れないので、がっかりです。2017年の秋、広東省のニュースサイト「本地宝」で竹園竹升麺の記事を見つけました。「竹升麺館は、『舌尖上的中国』で損をしたのか?」と言う2012年6月13日の記事です。店舗契約の更新になった時、家賃は15万円だったのに、いきなり30万円に値上げされたそうです。有名になりすぎるって、いいことじゃないんですね。ニュースはともあれ、竹升麺はコシがある麺好きには、おすすめです!