- 浜井幸子
- 京都在住の神戸人。19歳の時、人生初の海外旅行で中国に行き、何が飛び出してくるかわからない中国の魅力にはまる。その後、成都と北京に語学留学し、現在は主に中国の食と旅をテーマに執筆活動中。中国の粉もの文化を中心としたアジアの食が得意分野。著書に「シルクロードおもしろ商人スクラップ」、「中国まんぷくスクラップ」などがある。
出発エリアをに変更しました。
「超記」の招牌臘味は、18元(約324円)。卵は2元(約36円)で追加できる
2018年12月、私が広州についた日は、24度もあったと言うのに、わずか10日ほどで一気に気温が下がりました。こんな寒い日に食べたいのは、やっぱりあれ! 熱々の土鍋ごはんのおこげをガリガリとスプーンで剥がしている自分を思い浮かべた瞬間に、今晩は「超記(ジャオジー)」に食べに行くと決めました。広州は、中国南部の経済の中心であり、美食の町です。安くて美味しいB級グルメを楽しむには、最高の場所。私が土鍋ごはんと呼んでいるのは、「バオ(保の下に火)仔飯(普通話ならズファン、広東語ならザイファン)」です。一人分ずつを土鍋で炊きあげる、安くて本当に美味しい広州の冬の人気料理です。
「超記」は、越秀区珠光路188.地下鉄6号線「北京路」駅下車
広東省のバオ仔飯は、中国西南部の雲南省や広西壮族自治区では、「砂鍋飯(シャーグオファン)」と呼ばれています。場所が変われば、味付けや必ず使う具なども変わりますが、秋から冬、肌寒い春頃までの人気料理と言う点は、共通しています。中国南部は温かいと言っても10度を切る日もあります。そんな日は、やはりみんなバオ仔飯が食べたくなるんです。私が「超記」に行ったのも気温がぐっと下がった日でした。覚悟してましたが「超記」は、お客でいっぱい。30分近く待たされました。
排骨バオ仔飯。こちらも人気!
バオ仔飯は、米の上に鶏肉、豚スペアリブ、中国サラミ、牛肉などを載せて炊いた土鍋ごはんです。肉の他には、菜芯、菜の花、白菜などの野菜が入っています。と言っても、野菜は炊きあがった後に、炒めておいた野菜を載せるだけのつけあわせです。土鍋で炊いたごはんの上には、ちょっと甘いしょうゆ味のタレがかかっています。これがどの肉とも相性がいい激ウマのタレです。「超記」はもともとは集合住宅の1階にあった隠れ家的食堂でした。ただ、あまりにも人気が出すぎたため、2018年12月には、大きくて立派な支店ができていました。
おこげがうまい!スプーンで意外と綺麗にはがれるおこげ
「超記」で私が選んだのは、「招牌臘味(ジャオパイラーウェイ)」です。やや甘くて脂っこい中国サラミが入ったバオ仔飯は、超記のいちおし! 注文してから少なくとも約20分は待ちます。ネットで注文したお客にバオ仔飯を運ぶ宅配業者も来るので、30分以上待たされることもしばしば。待っている間は厨房をじっと観察。ずらっと横に並んだコンロの上で土鍋を大きく傾けて、料理人ができあがりのタイミングを見ています。待つこと約30分、炊きあがったバオ仔飯は、ちょっと甘いタレとカリカリのおこげが本当に美味しい! 夏にダラダラ汗を流しながら食べるバオ仔飯も好きですが、やはり寒い冬こそバオ仔飯の季節! 広州ではバオ仔飯は、どこでも食べられますが、「超記」に行ってみませんか!
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2019/02/06)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
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