広西壮族自治区なのに、広東省にいるような気がする梧州

中国の西南部に位置する広西壮族自治区の梧州で、市バスに乗ると、車内の放送はまず広東語です。「なんで? 梧州って広東省だっけ?」と変な感じがしました。梧州は広西壮族自治区東部にあり、観光地の桂林とは高速鉄道で約2時間の距離です。桂林の食文化は、辛い味付けの湖南省の影響が強いものです。一方、梧州は桂林ともあまり離れていませんが、広東省のほうが断然近いです。そのため、梧州の食は広東料理だと言われています。「梧州って、どうして広西壮族自治区に入っているのかな?」と思える不思議な町です。だからこんな梧州の名物は、やはり広東料理のイメージが強い亀ゼリーです。

町の中心部を流れる桂江の東は、新市街、西は騎楼状がある旧市街になっています 町の中心部を流れる桂江の東は、新市街、西は騎楼状がある旧市街になっています

亀苓膏の作り方

亀ゼリーは、中国語で「亀苓膏(グイリンガオ)」と言います。主に中国の南方で食されている亀ゼリーですが、実はこの梧州のものが一番有名です。亀ゼリーは、亀の腹側にある腹甲という部分を干して粉末にしたものと、土伏苓(サンキライと呼ばれる生薬の一種)、甘草、仙草などの生薬を煎じ、成分を抽出したものを蒸したものです。蒸すことによって、プルンと固まります。亀ゼリーそのものには甘味はなく、本当は苦い味です。わたしは苦いものと言えば、健康や美容に良いものという感じがしますが、中国では亀ゼリーは、特に美容に良いと言われています。そのほか、美肌、デトックス、便秘、解熱、痔なども良いとされています。

梧州で有名な「双銭亀苓膏」に行ってみよう!

梧州の元祖亀ゼリーと言えば、「双銭亀苓膏(シュアンチェングイリンガオ)」です。梧州は桂江を挟んで、東西に分かれていますが、東側が旧市街で、一番にぎやかな梧州の中心部です。梧州一の繁華街になっている騎楼城に行くと、亀ゼリーを売る屋台だらけなので、これを見れば多くの人が梧州の名物が亀ゼリーだとわかりますよ。この町中で見かける亀ゼリーを作っているのがこの「双銭亀苓膏」です。「双銭」と言うのは、亀ゼリーの原料になっている亀の種類を表しています。ただ、現在は「双銭亀」は絶滅危惧種に指定されているので、すっぽん系の土亀で亀ゼリーを作っているそうです。

1階が店舗とアーケード、2階以上が住宅になっている騎楼建築が並ぶ騎楼城 1階が店舗とアーケード、2階以上が住宅になっている騎楼建築が並ぶ騎楼城

初めて食べた本場の亀ゼリーの味!

騎楼城に近い「双銭亀苓膏(鴛江麗港3号楼地層31号鋪)」に行ってみました。亀ゼリーを売っているお店の並びにその場で亀ゼリーが食べられるデザート屋さんがあります。亀ゼリーは、霊芝と組み合わせたものやフルーツパフェ風のものなどが10種類以上あります。私は「冰鎮紅豆亀苓膏」に決めました。小豆、ココナッツミルク入りの亀ゼリーを氷で冷やしたものです。冷たい亀ゼリーしか食べたことがなかったのですが、温かい亀ゼリーがあるって初めて知りました。さてこの亀ゼリーのお味は、硬めの寒天のような食感でココナッツミルクとの相性はバッチリ。甘さ控えめの小豆もきいています。香港のスイーツのお店のように洗練された亀ゼリーではありませんが、やはり梧州のものは素朴でおいしい。梧州に行ったら、中国で有名な双銭亀苓膏の亀ゼリーを食べてみませんか!

冰鎮紅豆亀ゼリーは、13元(約221円)。透明のゼリー状のものは琵琶で作った寒天のようなもの 冰鎮紅豆亀ゼリーは、13元(約221円)。透明のゼリー状のものは琵琶で作った寒天のようなもの