乾物屋街に突如、現れるカトリックの大教会

貝柱、干しエビ、干しぶどう、羅漢果などの乾物を扱う問屋街を歩いていると、突如現れるカトリックの教会! いい出汁がとれそうな乾物の香りが漂う問屋街といえば、中国や東南アジアのチャイナタウンそのもの。そんな中にポツンとたたずんでいるカトリックの大教会は、正直言って全くなじんでいない感じがします。でも、そこがこの通りのおもしろいところ。この通りは、広州中心部の越秀区にある一徳路です。カトリックの大教会は、「石室」と呼ばれていますが、正式には「石室聖心大教堂」と言います。

石室聖心大聖堂。中国人カップルの結婚写真の人気撮影スポットのひとつ 石室聖心大聖堂。中国人カップルの結婚写真の人気撮影スポットのひとつ

石室聖心大聖堂の場所にもともとあった建物

一徳路は、東は人民南路から始まり、西は海珠広場までのびる約1.5キロの通りです。清代は、ここに両広総督府がありました。両広総督府とは、広西と広東を治めた総督の官邸です。1856年、アロー号事件が起き、英仏連合軍によって両広総督府は破壊されました。その後、フランス人宣教師によって、両広総督府跡地に建てられたのが「石室聖心大聖堂」です。建設が始まったのは、1863年。中国を侵略しているフランス人が建てるということで多くの中国人の反対や攻撃にあい、完成までに約25年もかかりました。全て花崗岩で作られ、高さ約25メートルもある尖塔を持っている、東南アジア最大のカトリック教会です。

乾物店で見つけたお菓子の型。中華菓子の材料も扱っているので月餅型も売られている 乾物店で見つけたお菓子の型。中華菓子の材料も扱っているので月餅型も売られている

異国情緒たっぷりの一徳路

石室聖心大聖堂がある一徳路は、騎楼建築が並ぶ通りです。「騎楼建築」とは、1階が店舗と通行人が通る道になっており、住居にあてられる2階以上が道の上に張り出た建築です。中国と西洋が混じったような雰囲気があるせいか、騎楼が並ぶ通りは異国情緒があり、ぶらぶら歩きが楽しいところです。この騎楼が延々と並ぶ一徳路は、ゴージャスな騎楼こそないものの面白い通りになっています。そこに石室聖心大聖堂が、突如現れるので、かなり見ごたえがある通りなのです。

一徳路の騎楼は、騎楼の中でも派手なバロック式とよばれるものが少ないので、やや地味ではある 一徳路の騎楼は、騎楼の中でも派手なバロック式とよばれるものが少ないので、やや地味ではある

散歩だけじゃない一徳路の楽しみ方

また、一徳路は、中国語で「批発市場(ピーファシチャン)」と言う問屋街になっています。一徳路と解放南路の交差点に建つ「万菱広場(ワンリンクワンチャン)」は、文房具やポーチ、マグカップなどの雑貨の問屋が集まるビルです。石室聖心大聖堂があるあたりは、乾物屋が並んでいますが、海珠広場に近づくにつれ、洋服と洋服店で使う袋屋に変わっていきます。洋服はなかなか日本人好みのものはないかもしれませんが、乾物屋にはけっこういいのがありますよ。一徳路は、見どころとしてガイドブックに取り上げられることはあまりないようですが、散歩も買い物も楽しめるおすすめの通りです。

乾物屋では、干しイチジク、くるみ、クコの実など、美容にいいものが売られている 乾物屋では、干しイチジク、くるみ、クコの実など、美容にいいものが売られている