釜飯にそっくりなごはんに出会える中国南部の旅

日本の釜飯にそっくりなごはんが、中国南部にあります。中国南部では「砂鍋飯(シャーグオファン)」と呼ばれています。素焼きのひとり用お鍋にハムやグリンピース、時には骨付き豚肉などをのっけて、豚のスープで炊いたごはんです。この中国版釜飯と言える砂鍋飯が停車駅のホームで買える、鉄道路線がありました。停車のたびにホームに降り、ワゴンをのぞき込んで、どの砂鍋飯を買うか悩むのが楽しみでした。残念なことに今、ホームで砂鍋飯が売られているかどうかわかりません。この釜飯鉄道は広東省の広州から陝西省の古都西安に向かう路線でした。

中国版“釜飯”が食べられる釜飯鉄道に乗って広州から西安へ 中国版“釜飯”が食べられる釜飯鉄道に乗って広州から西安へ

広州から西安の鉄道の路線はおいしい路線

釜飯鉄道と私が勝手に名づけた路線で、よく乗ったのはK82次列車です。広州駅を午後2時13分に出発し、翌日の午後3時58分に西安に到着するまで、多くの停車駅で砂鍋飯が売られています。午後4時半すぎ、最初の停車駅、詔関に到着です。停車時間は6分。ホームには熱々の湯気がたつ砂鍋飯をのせたワゴンが待っています。お客を誘うように、ふたをあけているので、中のおかずが見えます。豚肉と油菜炒めとゆでたまごをのせたごはんです。これでも十分おいしそうですが、晩ごはんには時間が早すぎます。次の停車駅にかけることにしました。

ホームで売られている砂鍋飯をいつ、買うかがポイント

午後6時20分頃、郴州(チェンチョウ)駅に到着です。停車時間はやはり6分。ここではユバ、唐辛子、豚肉炒めをのせたごはんと、いんげん豆、豚肉を炒めたものとゆで卵のせたごはんが売られていました。いんげん豆入りのほうに決定です。午後6時半を過ぎているので、さあ、いただきます! シャキシャキのいんげんと脂身の多い豚肉のピリ辛炒めはごはんによく合います。午後8時すぎ、衝陽駅に到着。もう買いませんが、とりあえずホームに降りて、砂鍋飯をチェックします。大きな豚足煮込みごはんでした。「やられた・・、こっちにしたらよかった」と烈しい後悔が襲ってきました。

ころころ変わる中国の鉄道事情

その後、到着する株洲、長沙、鄭州駅でも砂鍋飯は売られていました。豚ばら肉のしょうゆ煮込みごはんなどもあり、また、食べたくなることもしばしばです。こんな毎回、乗るのが楽しみな路線でしたが、突然、砂鍋飯を売らなくなってしまいました。中国の鉄道事情はよくかわります。ホームの物売りが消えたかと思えば、すぐ、もとに戻ることもあります。また、K82次列車の発車時間も変わり、停車駅も少なくなりました。今なら広州駅を午前10時43分発のK648次列車が、以前のK82次列車とほぼ同じ停車駅に停まるのでおすすめです。もう一度、砂鍋飯が復活し、釜飯鉄道の旅が楽しめる日が来ますように!