速くて便利な長距離バスより鉄道を選ぶ訳

高速道路を信じられないほどのスピードでブッ飛ばすので、長距離バスのほうが鉄道より早いって、中国ではよくあることです。そして本数も多くて便利。それをわかっていて、あえて鉄道の旅を選ぶのは、長距離バスの約半額の料金という安さもありますが、やはり鉄道が好きだから! 鉄道のほうが、まさに旅をしているという気分になれます。とは言っても、お得で快適な「硬座(インズオ)」と呼ばれるハードシートの席が確保でき、異様に混んでない場合に限ります。

10数年前と比べて硬座車両は綺麗になりました 10数年前と比べて硬座車両は綺麗になりました

中国の鉄道が混む時期とは?

外国人には中国の鉄道が混んでいない時期を知るのは、なかなか難しいです。間違いなく混んでいるのは「春運(チュンユイン)」と呼ばれる旧正月前後です。地方に出稼ぎに行っている労働者や学生が故郷に帰る時期なので、鉄道は空前の混み率です。「五一(ウーイー)」と呼ばれる日本のゴールデンウイークにあたる時期と10月1日の「国慶節」前後は旅行に出る人も多く、混みます。他は大学の休み前と学校が始まる頃です。この混む時期は、寝台車はもちろん硬座でも席を確保するのは至難の技です。確保できても、通路まで人がギュウギュウ、トイレは、うんこがてんこ盛り状態でかなりきつい鉄道旅行になります。

中国の列車には、絶対ついている便利なもの

最近、中国南部の広東省の広州から潮州まで約6時間硬座で旅をしました。ちゃんと席は確保していたので快適でしたが、予想外の満員でした。その訳は潮州に近い掲陽という町で公務員試験があったので、試験を受ける若者で車両はいっぱいでした。通路の人をよけながら、中国の列車には必ずついている給湯器にお湯を汲みにいき、インスタントコーヒーの準備完了。あとは持ち込んだお菓子を食べながらのコーヒータイムです。

中国人の鉄道の旅のお供とは?

高速バスに比べて、鉄道は速度が遅い分、窓からの景色を楽しめます。走る地方が変わるごとに伝統家屋や風景もがらっと変わります。景色を見るより楽しいかもしれないのは、まわりの中国人が持ち込んだ食料ウオッチングです。カップラーメンには、ゆで卵やソーセージなどの具を追加します。「八宝粥」と呼ばれる甘いお粥の缶詰は男性にも人気です。一昔前に比べて消費量は減ったものの、ひまわりの種も依然として旅のお供です。リクライニングができない直角の背もたれの硬座で、楽しく周辺ウオッチングができるのも、片道6時間程度が限度でしょうか。2、3時間の距離なら、お茶を飲んでいるうちに目的地に到着です。短時間の移動なら硬座の旅をしてみませんか?