中国が原産のキンモクセイ

秋晴れの日、屋外を歩いているとふと鼻先をかすめる甘い香り。姿は見えなくてもキンモクセイだと分かります。小さく可憐なオレンジ色の花を無数につけるこの木は、中国南部が原産地。江戸時代に日本に持ち込まれたそうです。日本では香りを楽しむのみですが、本場中国ではこのキンモクセイの花をさまざまに利用します。お茶やお酒に入れたり、菓子の飾り付けにしたり、薬味のように使ったり。原産地ならではのキンモクセイの利用のしかたについてご紹介します。

キンモクセイの甘い香りを味覚と共に楽しむ、中国のお茶とお酒 キンモクセイの甘い香りを味覚と共に楽しむ、中国のお茶とお酒

キンモクセイのお茶

中国はお茶の産地として有名な国。キンモクセイの花を緑茶やウーロン茶、紅茶に混ぜた「桂花茶」が売られていて、甘く上品な香りが楽しめます。広西チワン族自治区の桂林や、四川省の成都市、重慶市、浙江省の杭州市、湖北省の咸寧市、このほかに福建省や貴州省などが桂花茶の産地として有名なので、訪れた際に購入してみるといいでしょう。また、乾燥させたキンモクセイの花は単独でも売られていますので、好みのお茶にブレンドして楽しむことも可能です。何度か飲んで風味の薄れたお茶に入れると、おいしさがよみがえります。

キンモクセイのお酒

キンモクセイの花を白ワインに漬けたものが桂花陳酒です。その歴史は古く、キンモクセイに薬効があると考えた古代の人々により、長寿を願って飲まれていました。楊貴妃が愛飲したという言い伝えも残っています。漬け込む時間は3年で、蜜のような金色をして見るからにおいしそう。その味は甘みが強く、香りは芳醇で女性に好まれます。ソーダ割りにしたり、紅茶に垂らして飲んでもおいしいです。

ネットで手に入るキンモクセイ製品

これらのほか、キンモクセイは香料としてキャンディに使われたり、シロップで煮て「桂花醤」にしたりと、さまざまに利用されています。こんな中国と比べると、日本では食品の香りづけに使われることがほとんどないのが、なんだかもったいない気すらしてしまいます。日本に持ち込まれてからの歴史が浅いためなのか、または日本で一時期トイレの芳香剤としてこの香りが多用されたためなのか、理由はよく分かりません。まだ体験したことがない人は、桂花茶や桂花陳酒はインターネット等を利用して購入が可能で、桂花醤のレシピもネット上で公開されていますので、ぜひ試してみてくださいね。キンモクセイの花の新たな魅力を発見できます。