勝つのは難しい! 中国の土鍋ごはんの誘惑

ひとり用の小さな土鍋でご飯を炊いている食堂や屋台を見つけると、「今日は、これにしよう!」と、つい飛び込んでしまいます。見つけるまでは、他に食べたいものもあったのに、土鍋の誘惑には勝てません。中国では、土鍋ごはんのことを「砂鍋飯(シャーグオファン)」、や「バオズファン、バオジャイファン」と言います。中国北部や西北部では見かけませんが、中国南部の雲南省、広西壮族自治区、広東省では、土鍋ごはんは人気のごはんものです。南部の暑い地方で食べられているので、土鍋ごはんは、冬の風物詩のように紹介されることもありますが、1年中食べられているごはんものです。

赤坎の土鍋ごはん。これで15元(約300円)。 赤坎の土鍋ごはん。これで15元(約300円)。

雲南省昆明や大理で食べる土鍋ごはん

土鍋ごはんは、どれもおいしいのでハズレはありませんが、名前は同じでも省によって味付けが全く異なります。西南部の雲南省昆明や大理の砂鍋飯と言えば、芋入りです。一口サイズに切ったじゃがいもやサツマイモを炊き込んだごはんは、ホクホクした食感が激うまです。これは広東省では見られません。グリンピースが入っていることもあり、あっさりした塩味なので、日本のグリンピースの炊き込みごはん風です。ごはんの上にのっかっているのは、ハムや中国サラミですが、全体的にさっぱり系で、毎日食べてもあきませんよ。

広西壮族自治区桂林や陽朔で食べる土鍋ごはん

水墨画の世界が広がる広西壮族自治区の桂林や陽朔あたりの砂鍋飯は雲南省のものとは全く違います。ごはんは土鍋で炊いたものですが、普通の白いごはんです。上にのっける具は、ピリ辛味をつけた野菜炒めです。雲南省の砂鍋飯と大きく違うところは、土鍋で炊いたごはんとは別に野菜炒めがついてくるところです。雲南省なら、この野菜炒めを、蒸しあがったごはんの上にのっけて一蒸ししてから、出てきそうなものですが、広西壮族自治区では、別々に出てきます。砂鍋飯と言っても、土鍋で炊いた白いごはんと野菜炒めのセットのような感じです。

広東省広州や赤坎で食べる土鍋ごはん

土鍋飯の具の種類が豊富なのは、何と言っても広東省広州や赤坎です。ここでは砂鍋飯とは呼ばずに、バオズファンと呼びます。具は中国サラミ、干した豚肉、豆鼓で味を付けた骨付き豚肉や豚ミンチ肉など。ごはんが炊きあがる頃、具をのっけて、サラダ油もさっとかけ、一蒸しします。仕上がりに、ゆでてから、オイスターソースで味をつけたレタスや菜の花などの野菜をのっけて、ちょっと甘いおしょうゆをかけたらできあがりです。このおしょうゆ味のおこげが、本当においしいのです! ガシガシとれんげで、土鍋からはがして食べるのも楽しみです。各地の土鍋ごはん、味付けは全く異なりますが、見かけたら、ぜひお試しあれ!