意外と知られていない桂林の味

「それじゃ、味が薄いわよ」。私の汁なし米粉が入った器を見て、隣のおばちゃんがつぶやきました。中国西南部の広西壮族自治区桂林の名物と言えば、「桂林米粉(グイリンミーフェン)」です。米粉と聞くと、台湾好きの人なら炒めた米粉を思い浮かべるかもしれません。だいたいは、汁米粉が浮かびます。でも、桂林で人気があるのは「滷菜米粉(ルーツァイミーフェン)」と言う、汁なしの混ぜ米粉です。広西壮族自治区の中でも北部の桂林は、湖南省に近い位置にあります。毛沢東の故郷でもある湖南省は、四川料理と並んで辛い料理を好んで食べます。桂林の味も湖南省と同じで、辛いんです。桂林米粉を食べる時、辛さを決めるのは、漬け物です。

桂林市内中心部。こんなにやさしい風景の町なのに、好みの味付けは、やさしくありません。むしろ激辛! 桂林市内中心部。こんなにやさしい風景の町なのに、好みの味付けは、やさしくありません。むしろ激辛!

酸菜のトッピングは、思いきりよく!

私の滷菜米粉を見て「味が薄いわよ」と言ったおばちゃんは、トッピングの漬物が足りないと思ったのです。「酸菜(スワンツァイ)」と呼ばれる漬物は、三度豆に似た酸豆角、大根、昆布、青唐辛子などです。大根の酸菜は、日干し大根と生の大根の2種類あるお店もあります。この酸菜をてんこ盛りにして食べるのが桂林米粉の正しい食べ方です。酸菜のトッピングで自分好みの味を作ります。ただ、辛い味付けを好む地方なので、酸菜は、どれも本当に辛い! 揚げピーナッツも入れるので、少しは辛さが和らぎますが、それでも辛いです。私なりに酸菜をたっぷりトッピングしたつもりでしたが、地元のおばちゃんから見たら、まだまだ足りなかったようです。

これでも十分酸菜をトッピングしたつもりでしたが、地元っ子からすれば、全然、足りていないようです これでも十分酸菜をトッピングしたつもりでしたが、地元っ子からすれば、全然、足りていないようです

二種類楽しめるのがいい! 桂林米粉の正しい食べ方

広西壮族自治区の人は、米粉好きで知られています。朝ごはんは、もちろん米粉です。米粉さえあれば、それで満足と言われるほどの米粉好きな人たちなので、3食とも米粉でオッケーだそうです。滷菜米粉の食べ方にもこだわりがあります。滷菜米粉には、ゆでたり、醤油で煮込んだ豚肉の薄切りが入っています。米粉が見えなくなるほど酸菜をてんこ盛りにして、まずは汁なしで楽しみます。半分ぐらい食べたら、ここで豚骨スープを投入! 豚骨スープは、米粉屋さんには、必ず用意されており、好きなタイミングで注げます。今度は、汁米粉を楽しみます。これが桂林米粉の代名詞にもなっている滷菜米粉の正しい食べ方です。

豚骨スープ投入後! 桂林っ子は、もう少し米粉を残した状態でスープを投入します 豚骨スープ投入後! 桂林っ子は、もう少し米粉を残した状態でスープを投入します

滷菜米粉と並んで人気がある米粉とは?

滷菜米粉と並んで人気があるのは、豚ミンチが入った「鮮肉米粉(シェンロウミーフェン)」とタニシ入りの「螺スー(虫へんに師)米粉(ルオスーミーフェン)」です。螺スー米粉は、桂林に近い柳州の名物ですが、桂林でも人気があります。貝類を使った料理は、どれも辛いのですが、この螺スー米粉も激辛です。食べてみると、「タニシが全然、入っていない!」と思いますが、タニシは具じゃないんです。タニシでだしをとっています。スープのベースはあっさりしており、シャープな辛味がきいています。もちろん、酸菜のトッピングも必須です。桂林に行ったら、地元っ子のマネをして、米粉を食べてみませんか! スパイシーな料理が好きな人なら、酸っぱくて辛い桂林米粉が大好きになりますよ!

螺スー米粉は、スープの色からして辛そう! 螺スー米粉は、スープの色からして辛そう!