今、中国の若者の間で人気の「義工旅行」

日本の大学生は、あまり旅行をしなくなったと言うのに、中国の大学生は、かなりの旅行好きです。彼らは、大学が休みになると経済的な鉄道を使って、中国各地に旅だって行きます。そんな大学生の間で、「義工(イーコン)旅行」がちょっとしたブームになっています。私が「義工旅行」を知ったのは、中国西南部に位置する広西壮族自治区の龍勝でした。龍勝は、水墨画のような風景が広がる桂林からバスで約2時間のところにあります。少数民族のヤオ族の龍勝梯田で知られており、私は、龍勝梯田の大賽村の中でも山上に近い金坑に泊まっていました。ここで泊まっているお宿のフロントの女の子から「義工」を教えてもらいました。

泊まっていた金坑国際青年旅舎。金坑は、ゲストハウスが並ぶ民宿村のようなところ 泊まっていた金坑国際青年旅舎。金坑は、ゲストハウスが並ぶ民宿村のようなところ

義工旅行とは、いったいどんな旅?

「義工旅行」とは、夏休みなどの繁忙期にユースホステルやゲストハウスで働きながら約1か月、滞在することです。中国の検索サイトでは、「ボランティア旅行」と紹介されています。私のお宿のフロントの女の子は、この義工旅行を利用している女子大生でした。「好きな町を旅行したり、そこに滞在するのは、とってもお金がかかる。でも、義工なら泊まるところと食事が提供され、毎日、自分の時間も確保されるから安く滞在できる」だそうです。義工旅行の目的地は、中国人だけでなく、外国人旅行者も多い内陸部が多く、現地では英語が話せる人材を求めています。旅先にじっくり滞在してみたい大学生と旅館側のニーズがぴったりあい、今、中国では義工旅行がちょっとしたブームなのです。

山の上に見えるのが龍勝梯田の大賽の中にある金坑。義工旅行の目的地は、内陸部で外国人旅行者も多い場所と重なっています 山の上に見えるのが龍勝梯田の大賽の中にある金坑。義工旅行の目的地は、内陸部で外国人旅行者も多い場所と重なっています

旅だけが目的ではない義工旅行

気になるのは、義工のバイト代です。基本は、なし! 一応、ボランティア旅行ですから。ただし、この龍勝ではバイト代がありました。毎日6時間、一か月働いて500〜600元(約8500〜1万円)の報酬が相場とのこと。寝るところと食事が提供されると言っても1か月で1万円では、割に合わない気もしますが、義工旅行とは、その土地の文化を学んだり、土地の人との交流が目的です。報酬は問題ではないそうですが、龍勝の場合は無報酬だと応募してくる学生がいないので、旅館が500〜600元のバイト代を出しています。しかし龍勝と違い、報酬なしが常識になっている場所があります。

義工旅行で人気がある町とは?

報酬がないってことは、行きたい人が多い町ってことです。そこは、どこかと言うと、予想的中! 中国西南部の雲南省です。やっぱりね。日本人にも人気が高い大理と麗江は、義工旅行でもダントツで人気がある町です。どちらも自然に恵まれた少数民族の古い町で、90年代は、長期滞在する外国人旅行者が多い町でした。特に最近の大理は、落ち着いた生活を求めて沿岸部の大都市から移住してくる若い世代の中国人が多いことで知られています。義工旅行は、次々と新しい町に移る移動型の旅行者には合いませんが、じっくり町を楽しみたい滞在型の旅行者には、向いています。旅行好きの中国人の若者って、義工旅行という方法で、雲南省や広西壮族自治区の人気都市の旅を楽しんでいるんですね!

人気の大理。夕方になると、路上は、アクセサリーや絵を売るフリマに変わります。 人気の大理。夕方になると、路上は、アクセサリーや絵を売るフリマに変わります。