中国の南部に多い鍾乳洞

水墨画のような風景で知られる桂林、エメラルドグリーンの湖が点在する九寨溝など、中国南西部には溶けた石灰岩が造りだしたカルスト地形の景観が多いことで知られています。いくつかの場所はその好例として「中国南方カルスト」の名で世界遺産にも登録されています。このようなカルスト地形が洞窟状になったものが鍾乳洞。中国南部には規模が大きく、すばらしい鍾乳洞が点在することも有名です。

カラフルでないものは鍾乳洞ではない!?中国の巨大鍾乳洞 カラフルでないものは鍾乳洞ではない!?中国の巨大鍾乳洞

中国の鍾乳洞はなぜかカラフル

鍾乳洞の魅力とは一体何でしょう。水のしたたりが岩を穿ち、気の遠くなるような時を経て作り上げた神秘性、日光をさえぎられた、湿気の多い空間がかもし出す独特な雰囲気などでしょうか。そんな愛好家をがっかりさせるかもしれませんが、中国の鍾乳洞はどれもカラフル。赤、ピンク、青、緑、黄色など、きまって極彩色の照明で照らされています。しかし、最初は違和感があるかもしれませんが、これはこれでなかなかきれいです。このファンタジックさに慣れてしまうと、色味のない日本の鍾乳洞がちょっとつまらないものにさえ思えてしまうほどです。

奇岩が織り成す風景と鍾乳洞

ここからは中国南部の代表的な鍾乳洞をいくつかご紹介します。鍾乳洞があるような所には、地上でも雄大な自然景観が見られることが多く、鍾乳洞はそれに付随するうれしいおまけ、といった感があります。そのひとつが広西チワン族自治区の桂林。地域一帯いたる所に鍾乳洞がありますが、そのうち最大級のものが「蘆笛岩」です。全長2.4kmのうち約500mが整備されており、内部では奇岩が夢幻の世界を作り出しています。また、こちらも奇岩が屹立する景観で有名な湖南省の張家界には、武陵源近くに「黄龍洞」があります。全長約7.5km、水のある洞窟とない洞窟が各2つずつの計4層構造で、そのうち最も上の層の「龍宮」には、高さ19.2mもの非常に細い石筍があることで知られています。

水辺の美しい風景が見られる鍾乳洞

雲南省の省都、昆明市郊外にあるのが「九郷」。100を超える洞窟と美しい峡谷、滝がある風景名勝区です。手漕ぎボートで峡谷内に入り、崖沿いの遊歩道を歩いて鍾乳洞へ。中にある世界最大級といわれるリムストーンプール(棚田のような形をした鍾乳石)が見ものです。また、貴州省・安順市郊外にある「龍宮」は、川や滝、鍾乳洞、池などが広大なエリアに散らばる風景区。川は全長5kmで、水のある鍾乳洞としては中国最長とのこと。手漕ぎのボートで鍾乳洞に入ると、探検気分が盛り上がります。一帯には石灰岩の山々が連なり、非常に緑が濃くのどかな雰囲気。まるで人里離れた桃源郷に来たかのような、龍宮の名に恥じない美しい場所です。