今や日本でもすっかりお馴染みになった「花椒」

花椒、五香粉、八角などなど、いつのまに日本は、中華スパイスがこんなに簡単に手に入るようになったの? 最近、訪れた大手スーパーのスパイスの棚を見て、ちょっと衝撃でした。花椒や五角粉なんて、中華街や輸入食品スーパーに行かないと手に入らないものだったのに。確かに今では、食べることが好きな日本人なら、花椒のことを知っています。花椒は、中国西南部の四川料理には欠かせないスパイスです。四川料理の特徴のひとつである「唇がしびれるような刺激」は、この花椒から生まれます。四川料理のイメージが強い花椒ですが、中国の古都と言われる陝西省西安からそう遠くないところに花椒の有名な産地があります。

韓城古城では、花椒を売る特産品店が近くなると、刺激的な香りが漂ってくるのですぐ、わかる 韓城古城では、花椒を売る特産品店が近くなると、刺激的な香りが漂ってくるのですぐ、わかる

花椒は、四川省だけでなく、陝西省でもなくてはならないスパイス

古都西安から鉄道で東北に向かって、約3時間のところにある韓城が花椒の産地です。韓城古城の木造の商店街を歩いていると、花椒のツーンと刺激的な香りが漂ってきました。韓城の特産品である花椒の一種「大紅袍」の香りです。花椒と聞けば、日本人は、本場の麻婆豆腐に欠かせないスパイスというイメージが強いですが、陝西省や甘粛省の人にとっても欠かせないスパイスです。陝西省では、麺を食べる時に、必ず「油溌辣子(ヨウポーラーズ)」と呼ばれる辣油をたっぷりかけて食べます。花椒は、この油溌辣子作りに欠かせないスパイスなんです。

油溌辣子をかけて食べる西安名物の油溌麺。陝西省の人は、「一生、油溌辣子と黒酢から離れることはできない」と言うけれど、これは本当! 油溌辣子をかけて食べる西安名物の油溌麺。陝西省の人は、「一生、油溌辣子と黒酢から離れることはできない」と言うけれど、これは本当!

韓城特産の花椒「大紅袍」とは?

韓城の花椒栽培の歴史は古く、約600年近いそうです。明代の万暦35(1607)年に書かれた「韓城県誌」のお土産の項目にも花椒の記録が残っています。そんな昔から特産品として扱われていたんですね。韓城の特産品として名高い大紅袍は、大粒のものが多く、皮も厚く、果肉も豊かなのが特徴です。中国政府は、改革開放以来、韓城周辺での花椒栽培を推進してきたので、現在3500万株もの花椒が植えられ、195にも及ぶ花椒専業村があると言われています。日本人にはどうしても四川のイメージが強い花椒ですが、中国で一番栽培面積が広く、栽培量が多いのは、陝西省の韓城です。

花椒がピリッときいた「花椒餅」。花椒の葉っぱの形をしている 花椒がピリッときいた「花椒餅」。花椒の葉っぱの形をしている

韓城特産の花椒と花椒油を買ってみましょう!

さて、韓城古城の特産品で大紅袍を見ていると、隣にやってきた中国人客が「本当に高いね」と言っていたので、かなりの高級品だと言うことがわかりました。と言っても、その袋は500グラム以上入った大袋で60元(約1020円)です。日本人ならこんなに必要ないので15元(約225円)の子袋で充分です。花椒油の小瓶は、たった10元(約170円)。花椒油は、中華風の和え物を作る時、ほんの少し垂らすだけでぐっと味がよくなると特産品店のいちおし商品でした。韓城に行ったら、特産品の花椒をぜひ、買いましょう! 花椒がピリッときいたクラッカーのような餅を食べるのもお忘れなく!

どちらも小さいからお土産にぴったり。お店には、粉にした花椒も売っている どちらも小さいからお土産にぴったり。お店には、粉にした花椒も売っている