中国では、「世界十大不思議の一つ」と言われている「風雨橋」

「風雨橋(フォンユーチャオ)」って、テレビや本では見たことがあるのですが、実物を見たことがありません。中国南部の湖南、湖北、貴州、広西壮族自治区などで見られる、橋でもあり、塔でもあり、亭でもあると言われる建築物です。中国の検索サイトの「百度」では、「世界十大不思議と言われる橋の一つ」と紹介されています。確かに風雨橋は、ちょっと珍しい橋です。広西壮族自治区北部の三江にある少数民族の洞族のものが一番有名だと言われています。三江の風雨橋なら、クイズ番組の「世界不思議発見!」にも何度か登場してそうです。私は、広西壮族自治区東部の賀州北部にある風雨橋を見に行くことにしました。

広西壮族自治区龍勝の龍脊梯田にあるヤオ族の風雨橋。橋の上では土産物を売っています 広西壮族自治区龍勝の龍脊梯田にあるヤオ族の風雨橋。橋の上では土産物を売っています

風雨橋の特徴と役割とは?

賀州北部の富川は、桂林にも近く、少数民族のヤオ族も住んでいる県です。ヤオ族の風雨橋は、洞族ほどではありませんが、広西壮族自治区では有名です。風雨橋は何族のものであれ、雨が多い地方にあるせいか、どれも屋根付きです。土台となる橋の部分は石造りですが、それ以外の部分はほぼ木造です。屋根がついた廊下のようなところには、必ず座れる場所があります。ここで雨宿りをしたり、野良仕事に疲れた足を休めたり、ご近所さんとおしゃべりをしたり、風雨橋は村人にはなくてはならない場所です。私はラッキーなことに、ガイドブックに載っていない風雨橋も知っているというバイクタクシーの運転手さんに出会えました。

橋の上には、必ず長いすのようなスペースがあります 橋の上には、必ず長いすのようなスペースがあります

富川福渓村近郊に残っている3つの風雨橋めぐり

まずは、運転手さんが知っている雨風橋からスタート! その橋は、たばこ畑の中にポツンと建っている小さな橋でした。長さ20メートル足らず、幅も3メートルぐらいの「錦橋」です。一応、清代に建てられたらしく、県の重要文化財になっています。お次は、福渓村から約3キロ離れたところにある「青竜雨風橋」です。明代の万歴年間(1573〜1620)に建てられたもので、その後、清代の道光年間(1840〜1845)に修復されています。三層の楼閣があり、長さも約37メートル、幅も約5メートルのかなり立派な橋です。ただし、錦橋も青竜風雨橋も周辺に村がないので、風雨橋の上に人影がないのが残念です。

錦橋。お堂に見えるぐらい小さな風雨橋 錦橋。お堂に見えるぐらい小さな風雨橋

人の姿が消えた風雨橋は、寂しいけれど、一見の価値あり!

最後は、青竜風雨橋から約500メートル離れた場所にある「回瀾風雨橋」です。黒い瓦屋根と木造の構造が、かなりしぶい! 建造時期は青竜風橋と同じ明代です。その後、清代の嘉慶初(1796年)と道光甲甜年(1834年)に修復された記録が残っています。橋の長さは、約27メートル、幅は約4.6メートルです。今日、見学した3つの風雨橋は、どれも全く様式が違っていて楽しめました。ただ、3か所とも全く人影が見られませんでした。地元の運転手さん曰く、「お年寄りが集まって来て、おしゃべりを楽しんだ」と言う時代は、とっくに過ぎたそうです。それでも中国南部でしか見られない風雨橋は、建物好きなら、一見の価値ありですよ。

回瀾風雨橋は、全体的に黒で統一されているように見え、かなりしぶい! 回瀾風雨橋は、全体的に黒で統一されているように見え、かなりしぶい!