杭州の龍井村と賀州の龍井村

中国南部の経済の中心、広州から高速鉄道でたった2時間! 広西壮族自治区東部に位置する賀州は、臨賀故城、江家圍屋など、歴史遺産の多い町です。しかし、広西壮族自治区では、桂林が有名すぎるのか、賀州を訪れる人はごくわずか。その賀州のある村に足を一歩踏み入れると、現代ではない世界に紛れ込んだ気分になります。時代を感じさせる古民居が並ぶその村は、賀州市の中心部から約9キロ離れた龍井村です。中国茶好きの人なら、中国十大銘茶の一つである龍井茶を思い浮かべるかもしれませんが、全く関係なし。龍井茶は、浙江省杭州の西湖龍井村の周辺でとれるお茶です。賀州の龍井村でもお茶はとれるようですが、杭州の龍井茶とは違い、全くと言っていいほど知られていません。

龍井の文字が入った門楼。龍井村では、門楼のそばに祠があるところが多い 龍井の文字が入った門楼。龍井村では、門楼のそばに祠があるところが多い

ガジュマルの大木に守られた龍井村

賀州市の中心部の八歩区から2路バスに乗り、約30分で龍井着。龍井と書かれた標識がある所からずんずん中に入っていくと、龍井村に到着。清代の同治から光緒年間に建てられたと言われる古民居が集まっていることで知られています。しかし、まず最初に目につくのは、大きく枝を広げたガジュマルの木! 何百年も村をじっと見つめて来た村の守り神に違いない大木の下には、小さな祠があり、お供えが置かれています。龍井村は、清代の古民居だけでなく、この地の風習が今も残っている村だと言われるだけあって、祠が村のあちこちに残っています。村中、神様だらけと言ってもいいようなところです。

村の守り神のようなガジュマルの木。道光帝に「榕樹(ガジュマル)大将軍」と名付けられた木が残っているはずだが、これがその木だろうか? 村の守り神のようなガジュマルの木。道光帝に「榕樹(ガジュマル)大将軍」と名付けられた木が残っているはずだが、これがその木だろうか?

龍井村と呼ばれるようになった訳とは?

さて、龍井村の名前ですが、龍井村は、風光明媚な沙田川の河畔にあります。もともと荒れ地だったこの地のそばにある西怜山の形は、中国人から見て、非常に龍に似ているそうです。また、沙田川の河畔には、二つの井戸があります。この井戸は、一つが村人の飲料用、もう一つは、洗濯用として今も使われています。この二つの井戸を龍の目と見立てたことから、龍井村と呼ぶようになったと言われています。なんとも中国らしい話です。皇帝を表す龍を村の名前にしただけあって、龍井村は、かなり豊かな村だったようです。古民居の装飾や門楼がとにかく立派。門楼の中で最も有名なのが、井戸に近い場所に建つ旭升楼です。

400年の歴史があると言われる旭升楼 400年の歴史があると言われる旭升楼

龍井村を歩くなら、ここに注目!

龍井村の門と言える旭升楼の周辺には、立派な古民居が残っています。魚や獅子などが彫り込まれた石が玄関の装飾に使われており、いかにも村の名士の家という感じ。こんな家が何軒も残っており、龍井村の豊かさが感じられます。地図がないので、適当に歩きまわっていると、旭升楼とは、スタイルの違う門に出会います。中でも拱北の文字が入った門は、珍しい門です。拱北門の向こうは拱北巷ですが、ここは、男性しか出入りできません。女性しか出入りできない鎮龍巷も残っています。今も珍しい習俗と古民居が残る龍井村は、広州から高速鉄道で簡単に行くことができる穴場観光地です。ちょっと変わったところに行ってみたい人におすすめです!

男性専用の出入り口の役目を果たした拱北門 男性専用の出入り口の役目を果たした拱北門