新疆ウイグル自治区で愛される羊肉料理

パリッパリッに焼けた皮、肉汁がしたたり落ちるほどジューシーな肉!久しぶりにトヌールカバブを食べると、やっぱりうまい! 「羊肉料理の王様だな」って思います。羊肉を串焼きにしたシシカバブも好きなんですが、トヌールカバブはもっと好き! トヌールカバブは、シシカバブと比べると、気軽に食べられないので、たまに食べるとおいしさ倍増で加点がついてしまいます。中国の西の端っこ、西安からローマまで続くシルクロードに属している新疆ウイグル自治区は、イスラム教を信仰する少数民族の多い地区です。主に豚肉を食べる漢族とは違い、この地に住む少数民族は、主に羊肉を食べ、最高の肉は羊だと言います。その羊肉料理の中でも一番のごちそうと言われるのがトヌールカバブです。

本場のシシカバブも羊好きにはたまらないおいしさ! 本場のシシカバブも羊好きにはたまらないおいしさ!

トヌールカバブには、2種類ある?

トヌールカバブとは、窯で焼いた羊肉のことです。炭火の上に串を並べて焼くシシカバブとは異なり、窯に串を垂らして焼いたものをトヌールカバブと言います。ただし「羊肉料理の王様」は、串に刺した羊肉ではなくて、漢字では「カオ(火へんに考)全羊(チュエンヤン)」と書かれる羊の丸焼きのことです。使われる羊は子羊です。中国北部に位置する内モンゴル自治区に住むモンゴル族も主に羊肉を食べます。モンゴル族の羊の丸焼きの場合、1〜2才の子羊が良いそうですが、新疆ウイグル自治区に住むウイグル族の丸焼きの場合は、生まれてから6か月以内の雄の子羊が良いとされています。

どーんとまるごと1頭! 高価なので、景気が悪くなるとあまり見られなくなる料理でもある どーんとまるごと1頭! 高価なので、景気が悪くなるとあまり見られなくなる料理でもある

和田バザールの主役、トヌールカバブ屋!

新疆ウイグル自治区の和田は、タクラマカン砂漠の南に位置する非常に乾いた町です。日曜日になると開かれる大きなバザールには、周辺の農村から様々なものを売りに農民や商人がやってきます。この和田バザールの一番賑やかな交差点にトヌールカバブ屋が集まっています。トヌールカバブ屋のご主人にちょっと聞いてみました。トヌールカバブは、作る時に卵、塩、胡椒、クミンを肉にもみこんでから窯で約2時間、焼くそうです。こんな風にじっくり焼くから表面の皮はパリッパリッ、中はジューシーに焼きあがるんですね。肉汁がしたたり落ちてしまうので、肉のかさは、焼く前の3分の2程度に減ってしまうそうですが、とにかくうまい!

どんどん現代化していく新疆ウイグル自治区の中で和田バザールには、昔ながらシルクロードの風情が残っている どんどん現代化していく新疆ウイグル自治区の中で和田バザールには、昔ながらシルクロードの風情が残っている

トヌールカバブはどこで食べるのがいい?

本来なら結婚式などのおめでたい時に食べるトヌールカバブですが、和田バザールなら量り売りで買うことができます。少量を買う人はいないので、半斤の250グラムぐらいからトライしてみましょう。分量を言うと、肉をスライスしてくれ、ナンにのっけて売ってくれます。運よく、窯から取り出したばかりの熱々なら、したたる肉汁をナンが吸い取って、これもまたうまい! 新疆の羊はくさみも少なく、和田のトヌールカバブは、羊肉好きならたまらない美味しさです。レストランで食べるとすると、少量を注文するのは難しい料理です。和田バザールでトヌールカバブを見つけたら、ぜひ、食べてみて下さいね!

ナンはお皿がわり。カバブを挟んだナンを二つに折って、袋に入れてくれる ナンはお皿がわり。カバブを挟んだナンを二つに折って、袋に入れてくれる