羊好きの日本人が集まる新疆ウイグル自治区

中国を旅行中、出会った日本人に「羊のしゃぶしゃぶを食べに行かない?」ともちかけると、「すみません。羊のにおいがダメなので」と断られる時があります。しかし中国の西の果ての新疆ウイグル自治区まで行けば、羊が苦手と言う日本人に出会うことは、ほぼ皆無! それどころか羊好きの日本人が集まって来ているような気がします。新疆ウイグル自治区には、少数民族のウイグル族が多く住んでいます。イスラム教を信仰しているウイグル族は、宗教上の理由から豚を食べません。ここでは、主な肉は羊です。麺も煮込みもスープもごはんものも含め、全てに羊が使われています。主食のナンにも羊肉入りがあります。

羊肉の炭火焼きのシシカバブ! 「これを食べるために新疆ウイグル自治区にやってきた」と言う来たという日本人も少なくない 羊肉の炭火焼きのシシカバブ! 「これを食べるために新疆ウイグル自治区にやってきた」と言う来たという日本人も少なくない

プレーンなナンと肉入りのごちそうナン

ナンと言えば、インド料理のナンが思い浮かびますが、ウイグル族のナンは、もう少し硬くて、しっかりした噛み応えがあります。毎日、食べるのは、胡麻や刻んだ玉ねぎが入ったプレーンなナンです。中でもベーグルに似た形のものは、ギルダ、ピザの台に似たものは、エメッキと呼ばれています。プレーンのナンと違い、羊肉入りのごちそうナンもあります。羊肉入りのナンは、ギュシナンと言います。ギュシナンは、ごちそうなので値段もお高い。ギルダなら1個1元(約17円)ですが、ギュシナンは、10元(約170円)ぐらいします。ラグメンと呼ばれる、野菜と羊肉のトマト煮込みのぶっかけ麺とほぼ同じ値段です。

和田に多い、あんパン型のギュシナン。冬場は熱々を保つために布団をかけている 和田に多い、あんパン型のギュシナン。冬場は熱々を保つために布団をかけている

あんパン型のギュシナンは、どんな味?

羊肉入りナンは、形に関係なく、ギュシナンと言います。あんパン型をしたものとピザの台型の2種類ありますが、全く味が違います。羊好きの日本人旅行者にも人気のギュシナンですが、どっちを食べるかで迷います。どう見ても日本のあんパンにそっくりなギュシナンは、中に羊肉のミンチと玉ねぎがたっぷり入っています。地元の人のまねをして、生地を上下にパカッと割って食べます。下の部分には、肉汁がたっぷり。蒸し焼きになった羊肉からスープがあふれ出ているんです。こぼれないようにズズッとすすりながら食べます。冬は、こぼれた肉汁の脂が固まって、指が白くなるほど脂っこいのですが、羊好きには感動もののおいしさ。

あんパン型のギュシナンは、食べるのが難しい。お店の人に割ってもらうほうがいい あんパン型のギュシナンは、食べるのが難しい。お店の人に割ってもらうほうがいい

ピザの台型とあんパン型、どっちがあなた好み?

もう一種類のギュシナンは、ピザの台のような平たいナンの上に羊肉の塊をのっけて焼いたものです。あんパン型のギュシナンとは違い、ジューシーな肉汁は味わえませんが、シシカバブのおいしさが味わえます。香ばしく焼けた羊肉と焼きたてのナンの組み合わせは、うっ、うまいとしか言いようがないです。シシカバブよりスパイスをひかえめにしているのか、ナンの生地ともよくあっています。私は、玉ねぎが苦手なので、どちらかと言うと、あんパン型よりもピザの台型のほうが好きです。タクラマカン砂漠の南部に位置する和田バザールに行くと、どちらも食べられます。羊肉好きなら両方トライすると思うのですが、あなたならどっちが好みですか?

羊肉がゴロゴロ入ったピザの台型のギュシナン。これだけ羊肉が入っているなら、ラグメンとほぼ同じ値段と言うのも納得 羊肉がゴロゴロ入ったピザの台型のギュシナン。これだけ羊肉が入っているなら、ラグメンとほぼ同じ値段と言うのも納得