和田バザールで黒山の人だかりにもぐりこむと‥

中国の一番西の端、新疆ウイグル自治区の和田はタクラマカン砂漠の南にあるオアシスの町です。すぐお隣はパキスタンです。和田の住人は漢民族より少数民族のウイグル族のほうが多く、中央アジアの町にまぎれこんだような感じがします。2000年代のはじめ、和田のバザールに行くと、黒山の人だかりができているところがありました。いったい、何を売っているんだろうと興味深々で奥まで進むと、中にいたのは子ネコが数匹!ごく普通の茶トラに見える子ネコでした。思わず、「ネコって、そんなに珍しい動物ですか?」とびっくりしました。

和田バザールでネコに黒山の人だかり!ネコってそんなに珍しい動物?! 和田バザールでネコに黒山の人だかり!ネコってそんなに珍しい動物?!

「NHKシルクロード」の世界が残る和田で珍しい動物とは?

新疆ウイグル自治区の省都はウルムチです。高層ビルが立ち並び、カルフールなどの大型スーパーもあるウルムチはすっかり都会です。和田は80年代に放送された「NHKシルクロード」に出てきた素朴なシルクロードを今もわずかに残しています。砂漠、ポプラ並木、ロバ車がある乾いた世界です。シルクロードと聞けば、思い出すのはバザールです。和田のバザールはもともと大きいのですが、日曜日はさらに規模が大きくなります。周辺の農村から作物を売りに来る農民で、バザールのある十字路は朝から埋め尽くされます。こんな商品なら、なんでもそろう日にネコに黒山のひとだかりができるってどういうこと?

和田の人がその動物を欲しい訳とは?

地元にウイグル族に「どうしてネコにこんなに人が集まっているの?」と聞いてみました。答えは「和田ではネコはすごく珍しいからだよ」でした。猫が欲しい理由はもちろんネズミを獲らせるためです。和田は中心部を除けば、ほとんど農村です。農村では小麦粉やとうもろこしをネズミから守るために、ネコが必要なのです。しかし、ネコは農家の人がまいたネズミトリを食べて、死ぬことが多いそうです。それで和田ではネコは非常に高価な動物になっていました。

都会じゃ安いのに、和田では月収の3分の2以上もする!

子ネコ1匹でなんと200元です。日本円で約2800円です。新疆ウイグル自治区以外の都会では、路上で子ネコや子イヌが1匹10数元で売られているのに。和田では信じられないぐらい高価でした。当時は月収300元やそれ以下の人も現金収入の少ない農村部では少なくありませんでした。その後、何度か和田に行き、子ネコが売られているのを一度だけ見たことがあります。ネコが増えたのか、200元もしませんでしたが、やはり人だかりができていました。ネコがこんなに珍しがられる土地はシルクロードの和田だけじゃないかしら!