中国のシルクロードしか見られないお仕事

路上に面したテーブルで野菜炒めをかけた麺を食べていると、おじいさんが火花を散らしながら、変わった自転車をこいでました。ここは上海から西に約4077キロ以上も離れた新疆ウイグル自治区の和田です。少数民族のウイグル族が多く住む新疆ウイグル自治区は、中国のシルクロードです。ウイグル族の市場、バザールやバザールの周辺には、ここでしか見られないめずらしい仕事があります。刃渡り20センチ以上の大きなナイフですいかを切り売りする商人や、昆崙山脈の雪解け水で作った氷のかき氷屋さんなどなど。今、私の目の前にいる改造自転車に乗ったおじいさんもシルクロードだけのお仕事をしています。

シルクロードのお仕事! バザールの包丁研ぎ屋さん シルクロードのお仕事! バザールの包丁研ぎ屋さん

火花を散らす改造自転車をこぐ老人のお仕事

火花を散らしながら改造自転車のペダルをこぐおじいさんの仕事は包丁とぎ屋さんです。自転車のハンドルの手前にグラインダーがあります。ペダルをこぐと、このグラインダーが回り、ここでナイフや包丁を研ぐことができるようになっています。威勢よく火花が散らしながら、ペダルをこぐおじいさんの姿はバザールならではの風景です。この包丁研ぎ屋さんは、白いひげをたくわえていたり、古びた帽子をかぶっているおじいさんばかりで、絵になります。パシャッと写真を撮るのはもちろんですが、なんでおじいさんばかりなの?

この仕事は儲かる? 儲からない?

包丁とぎは1本0.5(約9円)〜1元(約18円)です。儲かる仕事には見えませんでしたが、本当に儲からない仕事みたいです…。だから農閑期の農民のアルバイトが多く、専業の人は少ないと言われています。これだけで食べていくのは難しいので、農民の副業です。若い男性ならもっと稼げる肉体労働をしたり、出稼ぎに行きます。だから研ぎ屋さんと言えば、おじいさんが多いのです。物を売る商売と違い、全く仕入の必要ないので、儲けがまるごと利益になりますが、それでも決して多くはありません。零下を軽く下回る日も、外でじっとお客を待つきつい仕事です。

毎年2回必ずやってくる儲かる時期

この包丁研ぎ屋さんにも、忙しい時期があります。ウイグル族のお正月にあたるクルバン祭や断食明けのローズ祭の時です。ウイグル族の家庭は、この時にごちそうを作ります。ウイグル族のごちそうと言えば、もちろん羊を使った肉料理です。お祭が近づくと、バザールには包丁研ぎ屋さんが一気に増えます。お祭りが終わるとバザール全体が暇になります。祭り前にほとんどのお買い物が終わっているからです。包丁研ぎ屋さんもしばらく暇になります。絵になる素敵なおじいさんが多い研ぎ屋さん、バザールでみかけたら、ぜひ、記念に1枚撮らせてもらいましょう!