高層ビルと共存する現代的なシルクロード

羊の群れ、ロバ車と老人、砂漠をゆくラクダ、露店が並ぶバザールなど、日本人が思い描くシルクロードの世界って、こんな感じではないですか? イメージ通りのシルクロード的な風景も場所によってはちゃんと見られます。とは言っても、中国の西の端、シルクロードにあたる新疆ウイグル自治区は発展著しい地方です。特に省都のウルムチは、高層ビルが立ち並ぶ大都会です。文明の十字路として栄えてきた古都カシュガルですら、高層ビルの建設ラッシュの真っただ中です。今、カシュガルでは新しいシルクロードと昔ながらのシルクロードの両方を見られます。昔ながらのシルクロードが失われていく寂しさを感じる人もいるでしょう。

昔懐かしいシルクロードの世界が残る、和田のバザールをぶらぶら歩き 昔懐かしいシルクロードの世界が残る、和田のバザールをぶらぶら歩き

昔ながらのシルクロードファンにおすすめしたいバザール

そんな昔ながらのシルクロードファンにおすすめは和田です。和田はタクラマカン砂漠と崑崙山脈に挟まれたところにあるオアシスの町です。もともと雨が少ないシルクロードの中でも、さらに少ない地方です。厳しい自然のせいか、再開発も他のシルクロードの都市よりのんびりしています。そのため、今も素朴なシルクロードの風景が残っています。和田に行くのなら、日曜日のバザールは必見ですよ。バザールは平日も開かれていますが、日曜日はひときわ規模が大きくなります。その日は早朝から周辺の農村からやってきた人々とロバや馬車で通りが埋め尽くされ、迫力満点なのです。

路上にふとんがひかれている訳では?

その人ごみの中にシルクロードの世界が残っています。道路の一角にはラグビーボール型のすいかや朱色の巨大かぼちゃが積み上げられています。横には、なぜかふとんが! これは近郊の農民が、売り切るまで作物と一緒に路上に泊まり込むためです。商業都市のカシュガルの人々は、高価に見える服を好んで着る見栄っ張りとの定評がありますが、和田の人の服装は無頓着です。周囲を農村に囲まれているので、バザールにもさっきまで野良仕事をしていたような服装で作物を売りに来ます。その素朴さが、日本人旅行者が求めるシルクロードの世界に通じているような気がします。

和田バザールではずせない名物の卵

日曜バザールを満喫したら、夕方の名物屋台が出てくるのを待ちましょう。古江北路と加賀路の交差点付近がバザールの中心です。ちょうどこの付近に、灰が入った大きな浅い容器に卵を並べた女性たちが集まっています。これが和田名物の焼き卵です。和田は水が乏しいので、卵をゆでる水すらも節約していました。それで焼き卵が生まれました。黄身の味が濃厚で、白身にも水っぽさはありません。和田人は夕方、この焼き卵をつまむのを楽しみにしています。今も昔ながらのシルクロードの世界が残っている和田にも、どうとう鉄道が通りました。急速に懐かしいシルクロードの世界が失われていく可能性があります。行くならお早目に!