日本でもファンが多いラグメンに比べて、あまり知られてない料理

中国の西の端、新疆ウイグル自治区と言えば、西安からローマまで続くシルクロードに属しています。新疆のラグメンと言えば、この地に住む少数民族のウイグル族の名物料理です。トマト、白菜、ピーマンなどの野菜と羊を炒め煮したものを手打ち麺にかけて食べる混ぜ麺です。パスタのような麺にトマト煮込みをかけるので、ちょっぴりイタリア風。一度食べると、はまってしまう日本人も多く、日本でも好きな人が多いウイグル料理は、ラグメンだと言ってもいいぐらい(と私は思います)。ラグメンと並んで、日本でも食べられている名物料理と言えば、シシカバブとポロです。羊肉を串焼きにしたシシカバブと新疆版ピラフのポロは、ウイグル料理を代表する料理です。

骨付きのでっかい羊肉をのっけたポロは、ごちそう。食堂では、安い肉なしのポロもあるが、おすすめはやはり肉あり 骨付きのでっかい羊肉をのっけたポロは、ごちそう。食堂では、安い肉なしのポロもあるが、おすすめはやはり肉あり

中央アジアでも食べられているポロとは?

ポロは、中国語では「ジュア(手へんに爪)飯(ファン)」と言います。もともと手でつかんで食べていた料理なので、この名が付きました。ウイグル料理とよく似た料理を食べている中央アジアでは、ポロは、ポロフ(プロフ)と呼ばれています。骨付きの羊肉と人参を羊の油でしっかり炒め、そこに米と水を入れて炊くピラフです。注文すると、ぶつ切りの羊肉をゴロンとごはんの上にのっけて出してくれるので、見た目が豪華。じっくり煮た羊肉は軟らかく、羊のうまみがしみこんだごはんも美味しくて、私は大好き。でも、私はポロを好きだという日本人には、あまり会ったことがありません。なんとなくその理由もわかりますが、漢民族の間でもポロは、かなり好き嫌いが分かれる料理のようなのです。

バザールのレストランの前に行くと、こんなポロの大鍋が目につく。やはり出来立てがおいしい バザールのレストランの前に行くと、こんなポロの大鍋が目につく。やはり出来立てがおいしい

一部の漢民族がポロを苦手といわれている理由

ポロが苦手という漢民族の理由は、「脂っこすぎる」、「食べると、いつまでたってもお腹がすかない」などと、いわれているようです。羊の油をたっぷり入れて炊いたポロは、脂っこいです。なかなか消化できなません。もともと新疆ウイグル自治区には、漢民族は、ほとんど住んでいませんでした。今、新疆に住んでいる漢民族の多くは、新中国成立後、他の地方から移り住んだ人たちです。ウイグル族の主食であるナンやラグメンを日常的に食べています。民族の壁を越えて、ウイグル料理愛を持っていると言える人たちです。新疆以外でも北方に住む漢民族は、羊をよく食べますが、沿岸部や南方では、羊をほとんど食べません。「臭い」と言って、羊が苦手な人もいるようでs。羊を食べない漢民族からすると、ポロは少し苦手なのかもしれませんね。

バザールのレストランや食堂の入り口では、お客を呼び込むためにポロを作っているコックさんの姿が目につく バザールのレストランや食堂の入り口では、お客を呼び込むためにポロを作っているコックさんの姿が目につく

ウイグル族のポロの食べ方にも変化あり

漢民族の間では、好き嫌いが分かれるポロですが、ウイグル族の間でも変化があることがわかりました。中国全土で広まっているヘルシー志向が、新疆でも広まって来ています。「夜にポロを食べると、重すぎるので、昼に食べる」と言うウイグル族が増えて来ました。私も30代前半頃までは、ごちそう感があるポロは、晩ご飯でした。40代になると、ポロの晩ごはんは、きつい。羊のうまみをそのまま炊き上げたポロは、羊好きなら絶対、はずせない名物料理です。日常的に脂っこい料理を食べている漢民族でも「消化できない」と言うぐらい重い料理であることも事実。羊嫌いにはおすすめしませんが、新疆に行ったら、ポロはぜひ、食べてもらいたい。その時は、お昼に食べるのがおすすめです。

羊肉の値上がりのせいか、大きな骨付き羊肉をのっけたポロが少なくなった。「砕肉ジュア飯」と呼ばれる小さく切った羊肉を使った、やや安い値段のポロが増えた 羊肉の値上がりのせいか、大きな骨付き羊肉をのっけたポロが少なくなった。「砕肉ジュア飯」と呼ばれる小さく切った羊肉を使った、やや安い値段のポロが増えた