文明の十字路カシュガルはバザールの街

新疆ウイグル自治区の西の端、カシュガルは古くから東西文明が交わる交易の街として栄えてきました。カシュガルの名前が初めて歴史書に現れたのは2000年前の『漢書』の中の「西域伝」です。その頃のカシュガルは「疏勒国」と呼ばれていました。マルコポーロの「東方見聞録」には「カスカール王国」の名で登場し、商売の街として紹介されました。昔も今もカシュガルのバザールは周辺のどの街よりも大きく,昔ながらのシルクロードの雰囲気を残している街です。そのため「カシュガルに行かなければ、新疆に行ったことにはならない」という言葉があるぐらいです。

バザールの街、カシュガルの職人街に行ってみよう! バザールの街、カシュガルの職人街に行ってみよう!

日曜バザールの家畜市を見に行こう!

カシュガルの主なバザールは香妃墓に行く道沿いにある国際大バザールとエイティガール寺院を中心とした周辺のバザールです。国際大バザールでは日曜になると大きな市がたつのです。平日はお客も少なく静かなバザールですが、日曜になると早朝からにぎやかになります。周辺の農村から作物をもった農民が売りにくるのです。今ではロバ車の乗り入れが禁止されてしまいましたが、以前は野菜や果物で満載のロバ車を見ることができました。日曜だけの家畜市に行くと、シルクロードの主食の羊はもちろんのこと、ロバやラクダも売られています。この家畜市はシルクロードの原風景そのものです。

働く音が鳴り響く職人街の魅力

カシュガル市内の中心部に建つエイティガール寺院は、新疆最大のモスクです。めずらしい黄色のモスクの周辺には小さなバザールが集まっています。靴、帽子、野菜など、扱う商品別にバザールは分かれています。楽しいのは職人街とよばれるブリキ細工、木工、せいろ、鍋などを作っている通りです。1日中、カンカンとブリキを打つ音やグラインダーで包丁をとぐ職人の姿を見ることができます。カシュガルは商売の街ですが、手工業の街でもあるのです。日本では職人街と紹介されていますが、本当は別の名前があります。ウイグル族は「せいろバザール」と呼んでいます。

バザールを見るのなら必須のバザール

せいろはカシュガルの重要な輸出品のひとつなのです。もともとこの通りにはせいろ職人が多く住んでいたのでしょう。薄く切ったポプラの木の板に炭火をあてて、丸いカーブをつけていく作業をあちこちで見かけます。ポプラの木で作った直径1メートル近いものもある大きなせいろは、近隣のキルギス、ウズベキスタンなど中央アジアの国々にも売られていきます。「バザールに行かなくてはカシュガルに行ったことにはならない。せいろバザールを見なくてはカシュガルのバザールを見たことにはならない」とという言葉を、先の言葉に付け加えたいです。