シルクロードのカシュガルで急速に増えた乗り物は?

信号待ちでずら〜っと並ぶバイク、下校時間が近づくと学校の前に集まって来るバイクの群れ。ここはベトナムのホーチミン? と錯覚をおこしてしまいそうです。ベトナムでは、庶民の足はバイク。ベトナムはバイク王国のようなところです。今、私がバイクの多さに驚いているのは、中国の新疆ウイグル自治区のカシュガルです。新疆ウイグル自治区は、中国の一番西にあり、少数民族のウイグル族が多く住んでいます。西安からローマまで続くシルクロードの一部でもあり、中央アジアのような雰囲気です。カシュガルは新疆の中でもパキスタンに近い位置にあります。

ロバ車や馬車は消えて行くお仕事? シルクロードは今、バイクの時代 ロバ車や馬車は消えて行くお仕事? シルクロードは今、バイクの時代

シルクロードの風景に欠かせない乗り物

古都カシュガルの足と言えば、10年以上前ならロバ車や馬車でした。ウイグル族の市場であるバザールに近づくと、農村とバザールをつなぐロバ車や馬車が何台も停まっていました。じゅうたんが敷かれた荷台には、これでもかというほど人が載っていて、ひっぱる馬やロバが可哀想に見えたものでした。でも、馬車やロバ車が走っていないとシルクロードらしくない。乗ってみると、板の上に座るのでおしりが痛く、乗り心地は、悪いです。しかし思い描くシルクロードには、ロバ車や馬車がしっかりと入っているので、いないと寂しいのです。

カシュガル市内中心部にできた乗り入れ禁止区域

2000年も半ばを過ぎると、カシュガルや南部の和田も車が増えてきました。そのため市内中心部には、車の邪魔になる馬車やロバ車は乗り入れ禁止区域ができました。バザール周辺もそうです。それでもこっそりロバ車も馬車も入ってきていました。それが今、中心部に入って来るロバ車も馬車もますます少なくなり、2013年頃からはバイクが爆発的に増えました。横断歩道で青信号を待っている最前列はバイクの軍団です。夕方の小学校前などは、バイクで子供を迎えにきた親たちであふれかえっています。

急速に現代化するシルクロード

ロバ車や馬車は、夏冬関係なく、バザールの規模が大きくなる土日が儲かるお仕事です。その日は農村からバザールに物を売り買いに行く人が増えるからです。それにバスが走っていない道も通ってくれるので、農村では利用者が多い乗り物です。今もロバ車は残っているはずですが、農村まで足を延ばさない旅行者には、なかなかお目にかかれない乗り物になってきました。2013年にカシュガルに行った時には、とうとう一度も馬車もロバ車も見かけませんでした。急速に現代化する新疆は、シルクロードらしさをどんどん失っていくようで寂しい限り。バイクだらけのシルクロードも活気に満ちていますが、ロバ車も馬車もまだまだ頑張ってほしい乗り物です。